ある日。
休日でどこかに出かけたかったのに、すごい雨。土砂降り。夫も私も10時過ぎまで寝て、自由に過ごす。私は昼まで眠り、コロッケパンとアイスティーを飲んで、お風呂に入った。ここのところ体調が悪く、お風呂に入れなかったので三日ぶりくらい。さっぱりした。スッキリした。スッキリしたらどこかに出かけたくなったのに、あいかわらずの土砂降りでどこにも出かけられずモヤモヤした。
二人でおやつを食べながらGWの計画を立てる。GWの鎌倉は、ものすごい人なのでいつも都内でおいしいものを食べて過ごすのだが、緊急事態宣言がでるようなので、県内でおいしいお店を探す。無事にいろいろ予約ができたので楽しみだ。
夜、カップヌードルを食べて寝る。ダラダラダラダラとした休日は久しぶりだったので楽しかった。
久しぶりにWシリーズ。『青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?』読了。これ、Wシリーズでも好きでこれだけを何度も読み返している。タイトルがいい。私はなぜこんなにもこの本が好きなのだろうと考えてみた。それは、未来を想像する、試行させてくれるからだと思う。自分が想像もしないような未来や出来事に触れると、うずうずする。なんて世界は広いんだと思う。それに、この人の理路整然とした美しすぎる文章がとんでもなくよくて、頭の回転が速くなってキャパが広がる気がするのだ。私は、自分を無敵にしたい、昨日よりも今日の自分を強くしたいという思いが根底にある。きっとそれは病弱で、メンタル弱めだからなのだが。だから、知らないことを知るのは、それを知ったことによって自分が強くなっている気がするので楽しい。この人の本には私が想像もしない思考が描かれていることが多いので好きなのだ。きっと好きな作家というのは、何かしら自分の中でのテーマと近しいものを書いている人ということだと思う。そういうことで言えば、私の20代は遅れてきた反抗期のようなもので、親との折り合いが非常に悪かった。そのせいなのか、小川糸ばかりを読んでいたのだ。
話をこの本に戻すと、北極基地に設置された古いスーパーコンピューター・オーロラの停止を依頼され、向かったハギリ博士と警護のウグイ。海底5千メートルで今もなお稼働しているオーロラは人間との信頼関係を築き、詩情を持つことができた。このオーロラの描写が本当に美しいのだ。人間であることを愛おしく感じさせるのだ。これを読むと現代の本物の人間はどんなになってしまったのかと思う。本当に純粋に美しい物語だ。人間の、気ままなところ、自由なところ、ときどき忘れたり、ぼんやりしたり、うっかりなにかをしてしまうこと、憧れること。普段は意識しない人間らしさがにじみ出ている。「人はね、大事なことは言葉にしない」「人間だって、内緒の話をします。こっそり教えることで信頼を得るのです」 というところもよかった。
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