ある日。

朝、前の日にささみをゆでたスープでそうめん。

スープは塩コショウとたっぷりの生姜のみ。そこにひと口大にさいたささみと青ネギをたっぷりとのせて食べたらとっても濃厚でおいしかった。チキンの匂いがすると愛犬がびっくりするほど豹変してしまうのだが、相変わらず愛犬は別人ならぬ別犬のように半狂乱であった。


夫が楽しみにしていた中華のお店水綾閣へ行く。この前行って以来すっかり気に入ってしまった。どうやら平日限定ランチセットなるとんでもないセットがあるらしいので向かう。前菜、スープ、メインから二品、ごはん、点心二種、杏仁豆腐までついて1980円!!この質でこの料金は安すぎやしませんか?と思う。しかもランチセットだけにオーダーするとすぐにあれこれやってくる。早い。よい。アイス烏龍茶もワイングラスに透き通るほどの淡い緑色でおいしい。前菜をいただき、冬瓜と干しエビのスープをいただいていたら、そこから一気にお料理がやってきた。夫も私もまずエビチリをオーダーしていたので、それぞれのエビチリがやってくる。そして大盛りのごはん。そこに点心が二種、せいろでやってくる。もうここまでで、私たちのテーブルはちょっとしたビュッフェ状態。テンパっている私に夫が「点心がランチセットでもとんでもないおいしさだから、熱々のうちに食べた方がいいよ」と一言。そうだ、まずは点心だ!焼売と小籠包。小籠包は安定のおいしさなのだが、焼売が本当に何度食べても(まだ二回目だった)おいしいのだ。感動のおいしさなのだ。きのこの香とかいろいろな食感が味わえて、こうして書いている今でも口の中には涎が出てくるほどのおいしさが蘇る。それで、いそいそと食べ終えたせいろが撤収された代わりに私がオーダーした油淋鶏と夫の酢豚がやってくる。夫など、このお店に入ってからずっとニヤニヤしているが、酢豚が来た途端とんでもない笑顔。それらをちょっとずつシェアして食べる。同じランチセットを向かいのテーブルでポロシャツを着た市役所勤務ですみたいな雰囲気の40代の男性が二人、食べていたのだが、私たちより後に来たのに、もう杏仁豆腐食べている。私たちは、まだメインも食べ終えていないのに。そして、ものすごく挙動不審気味にあたりを見渡し、店員にあれこれ聞いている。接待などで使いたいのだろうか?いや接待?このご時世に?でも役所ならあり得るななんて思っていたら、隣のテーブルにものすごいカジュアルな服装の年配ご夫婦が座った。私は壁際で壁際の椅子はソファータイプで端っこまでつながっているのだが、その男性は奥様ではなく自分が奥に座り、なんと襟元がだるんだるんになっているTシャツにハーフパンツ。そしてビーサンだ。そして、片足が胡坐をかくように上がっていた。メニューを見て、まだ何も頼んでいないのに、横柄な態度で「TVを見てきたんだけど、どれがおすすめなの?」とかいろいろ聞いている。それで私たちのテーブルを見て、同じものを頼んでいた。どれもおいしい。幸せだ。最後の杏仁豆腐までおいしかった。それで幸せを夫と語らっている隣で、また隣の男の人が、店員に値段や材料費のことなどいろいろ聞いている。客単価とかまで聞いていて、すごく失礼な奴だと思った。きっと、ライバル店から調査に来たか、地主で、いくつか店やっているけれど繁盛しないからどうしようかなと偵察に来たといった雰囲気。場所柄、飲食店が多いし、オーナーのこととかも根掘り葉掘り聞いている。よくもそんなあけすけにいろいろ聞けるもんだと呆れた。


幸せな気持ちで店を後にし、いつも行く喫茶店に行こうとしたら休みだった。がっくり。そうこうしている間にものすごくお腹が痛くなったので、夫にトイレに行きたい!と要求。そうしたら、じゃぁ、ベローチェでも行こうというので、後ろをついていったらとんでもなく遠くて、お腹が痛いし暑いしでもうキレていたのもどこかに行くほど遠かった。


帰りに、「バス乗る?大丈夫?」と一言聞いてくれた。夫にしては初めてのナイスな質問。この一言があるかないかだけで、バスに乗るかどうかは別にして、気持ちが優しくなるんだよな。気にかけてるよ君のことって感じられるだけで、イライラもなくなるのだ。夫にはもっと積極的に声掛けを行ってほしい。夫はほとんど言葉にせず、察してほしいタイプで、私はすべては言葉にしないと分からないタイプなのである。よって、いつもこじれるのだ。だから、どんどん言葉にしていってほしいと思っている。言葉にすればするほど、あなたの妻はあなたに優しくなりますよ~と言いたいのだ。


疲れていたせいか、すぐに風呂に入る。風呂から出て着替えようとしたらなんと着替えがTシャツとパンツのはずがTシャツが2枚だった。私はスウェットパンツを3枚しか持っていないので、あいにく寝るときの服がないため夫に貸してほしいと頼む。それではいどうぞと渡されたのが、またTシャツだった。Tシャツはあるんだよね。。と二人で大笑いして眠りについた。

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