2023年8月10日(木)

朝、メールが吠えて起きる。いつもメールとは別の部屋で寝ている。メールが吠えて近寄ってきてくれて、メールのふわふわとした肌触りと小さな肉球を感じながら起きる幸福感を初めて知ってしまった。ああ、毎日一緒に眠りたい。


朝 納豆ごはん、ひじき、黒豆茶

夫、まだ熱は下がらず。喉がものすごく痛いという。食欲はないらしい。ミカンゼリーとヨーグルトを食べてお風呂に入っていた。それから、大量の塩むすびを作る。麦茶も作ってポットに入れて夫の部屋に持って行く。これで一日を過ごしてもらう。私も塩むすびを曲げわっぱに詰め込み、これで一日を過ごす。夫よ頑張れ。仕事。一息つきがてら、塩むすびをつまみ、夫のためにスープを作る。大根、えのき、長ネギ、ニラ、たっぷりの生姜とちょっとのニンニクを鶏ガラとごま油で中華スープに。コロナで喉が痛い時には、塩は控えなければいけなかったらしい。オレンジジュースも喉にしみたとのことだったので塩は入れないで作った。


夜 もずく、ひじき煮、中華スープ

夫は、さっきバナナも食べたのに、塩むすびも完食し、中華スープが上手いと言っておかわりまでしていた。回復の兆し。熱は37℃まで下がってきているようだ。頑張れ。


『深く、しっかり息をして』読了。12年間に渡り綴られた川上未映子氏のエッセイ。震災後の「すべてを忘れてしまう私たちは」が好きだった。「大切な人の死であっても、別れであっても、多くの人にはそれらを乗り越えて日常に戻ってゆける力がやっぱりあるように思えてしまう」「その力っていったい何なんだろうと考えてみれば、それはやっぱり『今』の力に他ならない」「大切な人とはできるだけ一緒に『今』を過ごすこと」とあった。あと、雑誌で読んだ時にも記憶に残っている「かけがえのない味方」は、女性であるというだけでひどい扱いを受けたエピソードが書かれている。初めて読んだ時にも、私は強烈な怒りを蘇らせたが、今読んでも怒りが蘇ってくることがある。私にも女というだけで不当な扱いを受けた会社員時代がある。男だらけの部署で、女は私だけだった。強烈なフェミニストで幼い頃から生きてきた私は、もうこの社会ではどうにもならないと諦めている。女性の不平等はなくならない。女はいつまで足掻けばいいのだろうか。そんなことすら考えなくなった今、この本を読んであの頃の不毛な戦いを思い出す。



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