2023年9月5日(火)

朝、六時に起きるとリビングに驚くほど眩しい朝日が差し込んでいた。カーテン越しでもこんなに明るいのは久しぶりでしばらく見入っていた。レモン白湯を飲みながら、今日のやることを書き出し、仕事。一時間ほどして、顔を洗ったり、洗面台やお風呂の掃除、洗濯などして朝食の用意とお昼用のお弁当を作った。


朝 納豆ごはん、わかめの味噌汁、梅干し

最近、梅干しを中田食品のものに変えた。朝でも食べやすくて、まろやかでほどよくすっぱい。朝から夫は咳がつらそう。夫に嗅覚と味覚は戻ったの?と聞かれる。昨夜のお香の香りは分かった。でも今飲んでいるコーヒーの匂いはわからない。味覚はほとんど戻っているが、匂いの方はいまいちで時々変な匂いに感じるのでまだまだ戻っていない気がしている。食器はいつも夫が片付けてくれるが、つらそうなので私がやる。


仕事。選書と原稿を書く。いつもの音楽ではない音楽を聴いてしまったせいか、文章がちぐはぐしている。散歩がてら図書館へ行く。暑い。暑い。暑い。風が強くて日傘がさせないので、なんの日よけもないバス停で腕に当たる日光がじりじりしてくる。図書館で本を返却し、予約本を受け取りすぐさま帰ってくる。汗が滝のよう。teteriaのアイスティーを淹れる。おいしい。ほんのり甘くする。おいしい。


夕方、仕事を終えて日記を書いていたら、去年の今日のところに「朝を制する者は一日を制す」というメッセージが書いてあった。去年も今日から朝活が復活していたようだった。


セブンルールで岸井ゆきののベルギーを見る。まだ、売れてない頃にマグリットを見に行きたくて行ったという美術館へ行っていた。なぜか急に涙が止まらなくなった。それが何の涙なのか自分でもわからなかった。でも、彼女の嘘偽りのない言葉、体験を、率直に語っていたのを聞いて湧き上がる強い気持ちがあったのかもしれない。強烈に羨ましく、そして共感した。絵を見に行くためにどこかに行きたいという発想が私にはなかった。それを見ていて、きっと夫はそういうのあるだろうなと思った。夜、夫に聞いてみると、どこにあるかは知らないけれど、ホッパーのナイトホークスを見に行きたいと思っていると言った。こういう夫が好きなのだ。私にはない感性。そういうことを唐突に聞かれても、自然にスムーズに答える本質的なところに憧れる。


『さみしい夜にはペンを持て』を読んでいる。書くことは自分との対話。書くことは考えること、答えを出すこと。何かに悩んでいる時は書くに限る。この本を読んでいると、日記を書き始めた小四の秋を思い出す。その夏に、割と大きな手術を受けた。大病をすると人生が変わるとよく言うが、私もそうだった。手術前は、みんなの前に立つと赤面して喋れなくなるくらい引っ込み思案だったのに、自分でも信じられないくらい、明るくてあか抜けたアグレッシブな女の子になってしまっていた。自分の変化や周囲の変化についていけなくて、今日の自分から明日の自分への申し送りのような感じで日記を書きはじめた。そのころ熱心に読んでいた夏目漱石の『こころ』にも影響されたのかもしれない。向上心のないやつは馬鹿らしいので、今日の自分に明日の自分が負けないようにと自分の記録を残しておきたかっただけかもしれない。この本は夜風を感じながらノートに書き綴る小四の自分と再会した。


夜 和風ハンバーグに茄子とアスパラのソテーを添えたもの、大根の味噌汁、冷ややっこ、ごはん。

ホッパーを語る夫がかっこよかったので、大好物をひたすら作った。単純な妻である。

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