2023年11月14日(火)晴れ

ここ最近で一番疲れていたので一時間遅く起きる。ごはんを炊き、卵焼きを作りウインナーを焼いていく。


朝 ごはん、納豆、人参と玉ねぎの味噌汁、きゅうりと大根とにんじんのぬか漬け、煎茶


急いで食器を片付け、ブランケットを干したり、シーツやタオルケットを洗濯したりする。ちょっとまえに新調した掛布団のカバーを買うのを忘れていたので、昨日買ってきた。ベージュチェックの柄しかなかったが仕方あるまいと買った。夫、「おお、めずらしいかんじのやつだね。まぁ、慣れるだろう」と。夫の会議時間がいろいろ変更になり、落ち着かない。全く仕事をはじめられず、モヤモヤする。自販機に缶コーヒーを買いに行く。好きなコーヒーがホットしかない。どうしてもアイスの缶コーヒーを飲みたかったので、微糖のコーヒーを買う。それを飲みながら、ようやく仕事をはじめられた。


昼 卵焼き、ウインナー、にんじんしりしり、ごはんをお弁当につめておいたもの

食後、雑務をこなそうと出かけるも、上思ったようにこなせず家に帰ってくる。完全に自分が悪いのだが、夫に八つ当たりする。朝の会議の時間についてあーだこーだ言いがかりをつける。その様子に、愛犬も「夫が可哀想」と言った感じで見守る。夫は、「そうだ、俺が悪い。ごめんね。俺がやるから」と熱心にいろいろやってくれる。ブランケットを取り込んだり、ネットスーパーの届いたのを受け取り、冷蔵庫に収納したり。さんざん八つ当たりをしたくせに、こんな時には本を読んで鎮めようといきなり本を読みだす。『スピンクの笑顔』でも、主人・ポチこと町田康氏は私以上の荒くれようだ。スピンクが本当に優しい。うちのメールもこう思っているのだろうか。スピンクと町田康氏の関係は、私とメールの関係にちょっと似ている。読んでいると、とても自分を客観視できるし、メールにお礼を言いたくなる。落ち着いてきた。


最近、いろいろあったのに書けなかったことを時系列ばらばらでここに書き残す。

ある日、さいたまクリテリウムに行った。ツールドフランスが好きで、ついにこういうものまで行くようになってしまった自分が未だに信じられない。自分の意志でスポーツを見に行きたいと思ったのは生まれて初めてだった。ポガチャルが来日するとのことで、生で見てみたかった。どんなスピードで走っているのかを体感してみたかった。スポーツ観戦に不慣れな私は、スケジュールをよく見ずにとりあえず現地に向かう。なんの前情報も調べずにとりあえず向かった。駅を出るとすぐにツールではおなじみの悪魔おじさんに遭遇。まだ心の準備ができておらず、見つけたとたんに固まってしまう。夫が隣で「写真撮ってもらった方がいいんじゃない?みんな取ってるよ」というが、私は現実を受け止めきれず、硬直しているのだ。そうこうしている間に関係者に連れられて彼はどこかへ行ってしまった。とりあえず、パンフレットをもらい、今更ながらコースを確認する。夫は、もう座っている人もいるから、早くどこで見るか決めて場所を取った方がいいんじゃないか。なんでぼんやり歩いているのかという。私は、選手が直線距離をどれくらいで走っているのかを知りたかったので、直線コースが長く、なおかつちょっと近くに折り返し地点がある場所になんとなく向かう。驚いたことにここにもすでに席取りをしている人たちがいる。私は完全になめ切っていた。選手が最も長く見える位置に並ぶ。ひとり前のおじさんは一人で折りたたみいすに座り、ユンボの帽子をかぶっていた。その前のきれい目な女子二人組は、ゆったりと座れるアウトドアチェアに座っている。そんなものない私たちは、新聞紙を広げそこへ座る。後ろに来た男性は、イスも持ってるし、場所取りようの新聞紙とテーピングまでしている。なんと、10回目の参戦だそう。そこで改めてプログラムを見るとなんと午後からのレースだった。タイムトライアルとレース。その前に選手紹介。あぁ、お腹空いたな。人多いなと思いながらひたすらそこで待つ。時間が近づき、バリケードが用意され、進むとなんと最前列!楽しみで胸がいっぱいだ。夫はイスらしきものを買いに行ったりいろいろ忙しそうだ。私も途中食べ物を買いに行ったりトイレに行ったりした。ポガチャルやサガンが目の前にいるなんていまだに信じられない。なぜか私と隣のおじさんは新城選手のうちわをもらった。こんなに群衆がいて、ファンの人たちもいるのに、なぜ?おじさんと戸惑いながら受け取る。ファンの方に申し訳ない気持ちになる。TTはあっという間に過ぎ去り、レースも体感的にはすぐに終わってしまった。ツールのカメラバイクも見れたし、なんといってもポガチャルとクスがラストツールさながらでたのしかった。何といっても自転車ファンは優しくて優しくて、思いやり合って一緒に話し合いながら見ている。その平和な空気感。フェアで美しいスポーツなだけある。ファンたちもみんな美しい。そして、ルールもわからず、全く興味がないのに付き合ってくれた夫に感謝する。


ある日。夫の誕生日だった。夫はコージーコーナーのモンブランをこよなく愛しているので、それを買ってきた。そして、今年はアップルパイも食べたいというのでアップルパイも買った。あとリクエストのかつ丼を作った。


別の日、夫の誕生日のお祝いに出かける。何をしたいか聞くと、抹茶パフェを食べて、イタリアンを食べたいというので銀座に行く。夫は都路里の抹茶パフェが好きなのだが、久しぶりに中村藤吉本店の抹茶パフェがいいというので銀座SIXに行く。以前ほどの行列ではないものの、行列であった。夫はお目当ての抹茶パフェを。私は生茶ゼリイのほうじ茶を頼む。夫は抹茶パフェを食べてとても嬉しそうだった。数年ぶりに食べたけど、おいしさを再発見した。また行きたいと言っていた。それから、私がクリスマスに欲しいエルメスのコスメを見たり、ハンカチを買ったり(特別嬉しい日にハンカチを買う癖が私にはある)、夫のスニーカーを見たり、デパートでお菓子を見たりした。夜になり、予約していたお店に向かう。パスティーノエビスケッテリアヒロ。ここ数年中華のリクエストが続いたので、イタリアンは久しぶりだ。コースをオーダー。前菜三種は、戻りガツオのカルパッチョ、高知県産トマトのカプレーゼ、三陸産大粒牡蠣のフリット。牡蠣は夫がすべて食べる。戻りガツオもカプレーゼも美味しい。それからフォカッチャ。これが今まで食べたフォカッチャ史上最もおいしかった。普段はお腹にたまるからこういうのは夫に食べてもらうのだが、おいしくていそいそと食べる。お店の方が、これをカプレーゼのトマトとオリーブオイルにつけて食べるとおいしいですよと教えてくれたのでそれをやろうと思いながらも他のお料理を食べていたら、カプレーゼのお皿を持って行かれそうになり。つい「あ!」と声を出してしまった。空っぽのお皿なのにそんな声出して、、、と思ったが、お店の方もわかってくれたようで「まだでしたか?」と言って戻してくれた。「せっかく教えてくれたので、やろうと思っていて」と話すと、無表情だったその女性の顔も緩み、笑顔でオリーブオイルや素材について熱心に説明してくれた。ぶっきらぼうで最初はどうかなと思っていたけれど、説明するときに仕事として淡々と説明するというよりも好きな想いみたいな感じが伝わってきた。それから、モッツァレラチーズとトマトとバジルのパスタ、メインのステーキとどれもおいしかった。特に肉イタリアンだけあって、この世のものとは思えないキラキラの赤身肉はまさに私の理想の味。切れ味の良いナイフでスパッと切れ、表面はかりかりで、潤いを纏ったしなやかなお肉は最高だった。デザートにティラミスをシェアしコーヒーを飲んで店を後にした。幸せな一日であった。夜、疲れてベッドで寝ていると、夫がやってきて「今日は本当にありがとう。たのしい一日だった」と言ってくれた。おめでとう、長生きしてね。


他にもいろいろ書き残したいことはあったが、回顧録はこの辺で。


夜 大根と鶏肉のスープ、にんじんしりしり、厚揚げの生姜焼き


最近、私が夢中になっていることはリセットだ。私は究極のリセット下手。事が終わった後も根に持ち反省に反省を重ね、次は万全の状態で迎え撃つぞといつ来るかもわからないその日に備え続けているのだ。リセットとは無縁で生きてきた。読んでいた町田康氏の『スピンク合財帖』の中で、リセットについて書かれていた。「正月になって新しい年になると古い年のことはすべて、なかったこと、にして、振り出しに戻る、ことができる訳です。そして今年こそはよい年である、と信じて再スタートを切るのです」と。そうかお正月は究極のリセットだったのだ。著者が言うには、最近はお正月を簡易的に済ませている方も多く、リセットができない。すると生きていて嫌なことや思いを引きずり、うつ病や癌になるのかもしれない、とある。まさにその通りである。リセットは大事なのである。そうとわかれば細切れでリセットをしまくる極端な私。昼食は午前をリセットする行為。十六時のお茶は仕事をリセット。お風呂は一日をリセット。日記を書いて完全に一日を〆てから眠る。でもときたま次の日に引きずる日もある、そういう時は日曜日をリセットの日にする。そうして、リセットの集大成がお正月ということなのだ。ということで、リセットをし続けていると、なんだろうかこの身軽な感じは。リセットというのは問答無用であきらめなければいけないと思っていた行為だが、これはとても気持ちのいいものだということに四十一歳にして初めて気づいた。たのしい。


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