ある日。

旅行に備え、愛犬のペットホテルの練習に先日と別のペットホテル。こちらは馴染みのホテルなので大丈夫そう。そうそう放任主義がいいのよね。スタッフの皆さんも接客がちゃんとしていて、可愛い人たちが多いのよね。愛犬は割とそういうところでちやほやとされて甘えるのが好きなようだ。

愛犬を何年もずっと覚えていてくれて、可愛がってくれる店長とも久しぶりに会えて、愛犬は嬉しそうに甘えていた。なかなかビビりな犬のため、ここまで積極的に行くのは珍しいけれども店長のことは覚えていたのか顔をなめたりしてキュンキュン甘えていた。


最近読んだ本。カツセマサヒコの『明け方の若者たち』。 若者というタイトル通りなのか、若者たちに人気の本なので手に取ってみた。私は、もはや若者ではないが、若者だったころを思い出して懐かしい気持ちになった。

二〇一二年五月、世田谷区明大前で開かれた就活勝ち組だけの飲み会で一目ぼれした彼女から「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」と誘われ二人で抜け出したところかはじまった切ない恋愛模様を描いた物語。好きでたまらない彼女に溺れつつ、やりたくない仕事をやらされ、こんなはずじゃなかったともがき苦しむという感じのものだ。

私は、こんなはずじゃなかったということが思い当たらないため、あまり共感はしなかったけれども。。就活時代のぎくしゃくした感じがなんだか懐かしかった。なによりも、私は20代のころ世田谷区に住んでいたため、終電を逃した下北沢とか、明大前界隈がとても懐かしかった。あのあたりは本当に住みやすく、周りにも友達がたくさん住んでいたため、よく誰かの家で集まってはくだらないことを話していたという若者だったころの私を思い出した。そして、これがエモいというやつなんだなと思った。


芥川賞の遠野遥『破局』も、就活生を描いていてきっと同じ世代の人たちにはピンとくる物語だろう。それにしても、この本のデザインよ。美しすぎるのよ。それに、遠野遥と言う人は、作家のわりにイケメンなせいか、帯にすっかりご本人様がイケメン風を吹かしていらっしゃる。それで内容と言えば、ただただ人間の気持ち悪い部分を見事に描いていらっしゃった。

ルールやマナーばかりを気にして、自分の感情を一切無視している主人公。人からどう見られているか、ああすべきこうすべきばかりで、正しく生きてきたはずなのに、想像もしなかったであろう破局の迎え方よ。ゾンビのように痛みも、悲しみも感じないと言い聞かせ、自ら破滅していく主人公の様が面白かった。読後感は決して良くないし、たぶん誰かに紹介することはないと思うけれども、私は、この人の本をこれからも読みたいと思っている。



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