ある日。
夫婦二人ともやけ食いの気分。夫婦二人してまったく仕事が納まらないのである。こんなにも仕事に追われる年末はこれまでなかった。私なんぞ、「やけ食いじゃー」と叫びながら、二人でかつ丼を食べに行った。(夫に「恥ずかしいから、そういうの口にしながら歩くのやめてほしい」と言われる)二人で夢中で食べた。でも、なんというかそのかつ丼は半熟?のとろとろ風で、まったく私の好みではなかった。私も夫もとろとろなんて求めてないのだ。卵はちゃんと固めてほしい。どうしても納得できず、二人とも変なテンションで店を後にした。その帰り道、ミスドに吸い込まれた。私はドーナツに目がない。夫も珍しく、「俺も食べる!」と言う。お腹が苦しいのに無理やりドーナツを食べた。私は久しぶりのドーナツに嬉しくてうれしくて涙を流しながら、「美味しいね」と食べていた。そんな私のことを、隣の席の男の子が、変なおばさんを見るような目で見ていた。ふと、ポスターを見ていたら、「ミスドファンミーティング」というのを見つけた。でも、京都で行われるというので残念がった。それを、目の前で夢中でドーナツを食べている夫に話すと、私がファンミーティングに参加したいと思っていたことにものすごく驚いていた。私が自分以外のことにそこまで熱くなることに驚いていたようだった。そして、「きみは、この数十年チョコファッションとハニーディップしか食べていないから、きわめて珍しいファンだ」と、笑われた。確かに、何のお役にも立てないかもしれない。。。ショック。
『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』読了。ものすごいいい本だった。この本で救われる人ってどれくらいいるのだろう。人見知りで、引っ込み思案な若林が、一人旅の解放感、自由に思う存分楽しんでいる様が面白おかしく綴られていて、よかった。好きだなぁ。すべてが好きだった。
『図書室で暮らしたい』読了。辻村深月は久しぶり。書店でのサイン会のことが書かれていた。これは私にとって一生の思い出だが、私は辻村深月のサイン会に行ったことがある。サインをもらって、私の美帆子と言う字を見て、「理帆子と一緒だね~」と言われたことを今でも忘れない。辻村深月とたくさんおしゃべりできて、楽しかったひと時は、今でも鮮明に覚えている。それができたのも、書店員さんのおかげだ。順番を待っているときに、私の今にも泣きだしそうな緊張を察知した書店員さんが、声をかけてくれて、緊張をほぐしてくれた。だから、私はあの書店員さんを忘れたことはない。そんな書店員さんたちの配慮についてここでは述べられていて、素晴らしいお仕事だなぁと思った。辻村深月の本には救いがある。助けてと心から叫んでいる人たちを、ちゃんと見つけて、光を見せてくれる。そういう言葉と絶対に出会える。だから私は好きなのだ。「大好きで夢中になれる『何か』を見つけてほしい。それはきっと、海に投げ出された時にしがみつけるブイのように、つらい現実に溺れそうな自分を救ってくれる」
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