ある日。

休日にしては珍しく8時に起きた。私たち夫婦はいつも週末は11時ごろに起きるので、ちょっとしんどかった。

朝食、夫は鶏肉のメンチカツサンド。私はメープルブレッドとコーヒー。

となりでキュンキュン騒いでいる愛犬にも、朝ごはん。夫に「何時にでるんだっけ?」と、何度も聞くのに覚えられない。私は遅刻癖がある。遅刻しないように、夫はわざと早く伝えるので、どうせそれはちょっと遅れても間に合うんだろう?といった感じで聞いているから出発時間が覚えられないのかもしれない。

顔を洗い、歯を磨き、いつもなら化粧をそのまま洗面台で済ませてしまう。でも、私は心を入れ替えた。なので、まずヘアアイロンで伸びた髪の毛をクルン外ハネにしていく。夫が「その髪型、夏っぽくて似合っている」と言ってくれた。さて、いつもの黒の透け感のあるシャツにジーパンでいいかなぁなんて思って着替えた。びっくり。似合っていない。髪形だろうか?それとも、真夏の暑さのせいでジーパンが暑く見えるのだろうか?驚いた。したがって、先日買ったばかりのブラックのシンプルなTシャツに、黒のテーラードパンツ、白のロングワンピを羽織った。夫にこのTシャツに合うでしょ?といちいち見せに行く。すると、どこのブランド?と聞くのでL’Appartementと言うと、「あぁ、あの店ねと。あの店、いつも開いてないのに平気なのかな?」という。そうなんだ。ネットで買ったので知らないけれども、私は好きなので応援したい。そして、私がメイクしている間に、夫は愛犬の散歩に行き、珍しく定刻よりも早めに出発する。


関内にあるラフィーリアデルプレジデントというピッツェリアにてランチ。そもそも外観からしてめちゃめちゃおしゃれ。以前に店の前を通ったときから気になっていたが、店内も綺麗だし、なにせピザがどれも美味しそうなのだ。この覚えにくい名前の由来は、ナポリでG7サミットがあったときに、クリントン元大統領がどうしてもナポリのピッツァを食べたくなり、代表してピッツァを作ったピザ職人のピッツァは大統領に大変喜ばれたということから、大統領にピッツァを作った職人という店からその後、娘が引き継ぎ、大統領にピッツァを作った職人の娘という意味らしい。その日本1号店とのこと。店内は、満席だった。ピザの種類が多すぎてどれを選んでいいのかわからなかったので、マルゲリータとプロシュートを選んだ。あとジンジャエール。しばらくして、この店に何度も通っているらしき40代くらいの女性が母親と祖母らしき三世代三名が私たちの隣の席に座った。その女性は、母親と祖母らしき二人に、ピザやメニューをいちいち説明している。これはこうでおいしかったとかいろいろ。はぁ、この人の説明を聞いてからオーダーしたかったよと夫と小声で話す。そうこうしているうちに、プロシュートがやってくる。山盛りのルッコラにこれまた山盛りの生ハム。私はこれが大好きだ。隣の祖母と母親が、私たちのテーブルを見て、「あれはなんの?お野菜と生ハムで軽そうだからあれがいいわ」と、まさかの娘の話を全無視して、私たちと同じプロシュートを頼んでいた。プロシュートは、生地は薄く、耳はしっかりしている。そこへ、とんでもなく山盛りのルッコラ。香り高いオリーブオイルがたっぷりとかかっていて、それが生ハムと一緒に食べると最高。病みつきになりそう。ものすごい勢いで食べた。残り2切れになり、お店の人が厨房に私たちのマルゲリータを伝えている。焼き上がり、あっという間に来てしまったが、まだ2切れあったので、私が自分のさらに乗せて、皿を下げてもらい、そこにマルゲリータを置いてもらう。夫はいそいそと食べる。とんでもなく熱いらしい。おいしそうに、3切れあっという間に食べてしまった。私は、プロシュートをもくもくと食べ終え、マルゲリータを少し食べた。おいしかった。ピザは夫が好きなので、いつも余計な一品料理は頼まずに、ピザを2枚食べることが多い。夫は、とんでもなく食べる。私はいつも残してしまう。でも、ここのは本当においしいし、軽い。そしてガーリックが控えめな気がした。とてもおいしかったので、絶対にここのコーヒーは美味しいなと思い、コーヒーも頼む。おいしい。コーヒーを飲みながら、この後どうするのか相談する。実は私は伊勢崎モールというところにあるユニクロに行きたかったので、そこを調べていたら夫が驚く。何もないところだとしか、言わない。ゆずが歌っていたのに、何もないの?と疑いながら調べてみたら、夫が好きな文明道のカフェがあったので伝えた。すると、「え?あの昔からある?」あそこびっくりするほど、狭いけどカフェあるの?といので、画像を見せたら驚いていた。とりあえず、なんとかモールに行こうと店を後にする。

夫曰く、シャッター街だったらしいのだが、カフェも増えていたりして驚いていた。歩いていたらGUがあり、夫が愛用の散歩パンツを欲しいというので行くと、ネットでは完売していたのに大量にあり驚いていた。そして、ユニクロに行く。パンツを買おうと思い、狙っていたのを試着する。びっくりするほど超簡易的な試着室でパンツを着替えるのってなんか勇気いるなぁと思いながら着替えた。よかったので、同じパンツを二つ買った。それから有隣堂本店をさらっと周る。店員さんがとにかく丁寧なサービス。本屋なのに、すれ違うたびに、いらっしゃいませーと声をかけられる。こんな本屋ある?古そうなビルだし、昔の書店独特の匂いが漂っていて、きっとそれは万引き防止とかだったのかなと思い店を後にする。

カフェに入ろうとしたらどこもいっぱいだったので、例の文明道の喫茶店に入る。夫はお腹いっぱいと言っていたのに、どら焼きと煎茶のセットを食べていた。ここで作っているからか皮がいい薫りと温かさが食欲をそそる。私はクリームソーダ―。席の真ん中にコロナウイルス感染防止のパーテーションがあり、会話がしづらい。なんだか、刑務所の面会室みたいだなと思った。「あなた、あなたは無罪だと信じているわ!何をされても罪を認めちゃだめよ」というと、「どちらかというと君の背景の方が捕まってる感あるけどね」と言われる。

帰りにスーパーで食材を買い、ヘロヘロで帰宅した。ピザのことを思い出すだけで幸せな気持ちになる。いい食事だった。夫が選ぶ店はやっぱりいい店が多いなぁと思った。

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