ある日。

朝、私にしては珍しくいつもより2時間も早く起きてしまった。明け方、暑くて寝苦しかったのもあるのかもしれない。それに、よくない夢を見ていた。なんと自分が中学時代に戻って、そこから人生をやり直すという地獄のような夢。私は人生をやり直すなんてまっぴらごめんなので、苦しい夢だった。中学時代はなんというか、ものすごく楽しかった。楽しくて楽しくて、でも別にあの頃には戻りたいとは思わない。なぜか周りからチヤホヤされることが多くて、自分でも戸惑っていた。林真理子の本に、十五歳くらいまだにチヤホヤされた経験がある人は、顔が良し悪しに関わらず割とお姫様気質の自信に溢れている人が多く、その後どれだけ美人になろうがなんだろうが無駄だみたいなことが書いてあって、私のこの気質はあの頃に培われたのだなと思い返す。友達も学校もそのまんま出てきて、とても懐かしかった。しばらく会ってないし、地元に帰ってもいなあので懐かしかった。みんな元気だろうか?


朝、食欲がないので夫の分だけ用意して、私はアイスココアを飲んだ。アイスココアなんて珍しいねと言われる。イマイチなので、録画した朝ドラを見て、自分を励ます。モネは気象予報士の勉強にまっすぐで、私も頑張ろうと家事に移る。


仕事。選書にものすごく時間がかかってしまい、集中していたらお昼を忘れていた。夫に「お昼って何?」と、聞かれたけれど全く忘れていたので、思いつかず苦し紛れで塩ラーメンを作った。スライスしておいたレモンがやばそうだったので、それを塩ラーメンの表面にふんだんに並べ、ごま油をかけた。おいしかった。レモンの苦味があってよし。


午後、不調。谷崎潤一郎を読む。夫に「お茶でも淹れてリラックスしたら」と言われて、何を思ったのか、アイスミントティーとカモミールティーとカプチーノを入れてしまった。それらを交互にキッチンで飲んでいるところに夫がやってきて、すごいと失笑。

愛犬の散歩に行ってくれる。夫が来ると愛犬はひっくり返ってなでなでされて気持ちよさそうにしていて、メールはリラックス上手で羨ましいと思った。


先日、行正り香さんの『やさしさぐるぐる』という本をインスタに投稿したら、まさかのご本人様からコメントとフォローを頂き、大ファンの夫と二人で嬉しさのあまり小躍りした。結婚した10年前に、どれほどこの方の料理本を参考に料理したことか。それがこんな繋がりがくる日が来るなんて、本当に人生は驚きの連続だ。


夜、私に代わって夫が図書館に本の返却と予約本の受け取りに言ってくれた。帰宅した夫が、「カウンターに30代くらいの、たぶん君と同じくらいの女性がいて、ログインできなくなった言っていて。おばあさんとかじゃないのに、この人大丈夫かなぁと思ったけど、まるで君みたいだったよ」という。私もよくログインできなくなる。銀行のアプリも全くログインできなくなり、困ったのでわざわざ窓口まで行ってお姉さんに教えてもらったのは最近のこと。電話とかネットとかでも問い合わせできるのに、なぜ私はわざわざ行ったのか、今となってはよくわからない。それにしてもログインできなくなるのはせっかちだからだろうか。それとも世代だろうか?その人とはいいお友達になれそうな気がした。


「体調がよくないからごはんなんて適当でいいよ。買ってきてもいいんだから」と夫に言われていたのに、またしても盛りだくさん作ってしまった。一人前食堂のYouTubeを見てモチベーションを上げる。ささみとキュウリのキムチ和え、酸辣湯風スープ、牛肉と豆苗のオイスターソース炒め、きのことブロッコリーとアンチョビのオイル煮、雑穀米。ささみがいよいよ危なそうだったので救出しようと思い茹でて、キュウリを縦半分に切りさらに細く刻む。それをキムチとゴマ油と麺つゆで和えるだけ。簡単ヘルシー。豆苗は牛肉で巻こうとしていた。夫は肉巻きがすきだから。でもそれどころではなかったので、盛大に牛肉を甘辛くオイスター炒めにして、フライパンの半分に寄せ、その開いているところに豆苗をこれまた根元からちょんぎったままの長さでそっと寝かせて余熱で火を通した。きのことブロッコリーはいつもオイル煮にしているのを、アンチョビと白ワインを加えただけなのにビストロメニューみたいになって、夫は喜んでいた。中華、韓国、洋食。本日のメニューはごちゃまぜヘルシー&鉄分補給メニュー。ここ数日、貧血で真っ白い顔をしていた自分の為に、自分が食べたいものだけを作った結果。時には自分を労わろう。


雲を通して月明かりが広がる夜道を夫と散歩。自販機で缶コーヒーを買う。あたりつき自販機だけど、当たったことはない。夫が「こい!こい!こい!」というので、私も一緒に「こい!こい!こい!」という。もちろん当たらない。

帰ってシャワーを浴びて、ベッドで読書。相変わらず寝際に「読書の日記」を読んでいる。楽しい。目が疲れていたので、ホットアイマスクをする。遅れてやってきた夫に、20分後、これ外してくれない?と頼んですぐに寝た。(夫は律義に20分後にちゃんとマスクを外してくれていたので、目は腫れてなかった)

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