ある日。

朝食、ミートソースの残りととろけるチーズでホットサンド。シナモンココア。ヨーグルトと蜂蜜。


ツールドフランス疲れか、猛烈に読書をしていて一日数冊ペースだからか、目が開かず疲労のため、ソファで本を読んだり、掃除したりしてのんびりと過ごす。


乗代雄介の『旅する練習』読了。サッカーに夢中なサッカー少女と小説家の叔父。旅の途中から加わる、自分が何が好きなのか、自分の人生を歩めていないことに後ろめたさを感じる自信のない女性。本当によかった。鼻の奥がツンとなった。鹿島神宮に行ったことがある。パワースポットに行くと何故か具合が悪くなるので、案の定ここでもひどい風邪を引いて帰ってきた。そんなことを思い出しながら読んでいた。

「どうやったらサッカーをするために生まれた人間になれる?」

「まだサッカーは仕事じゃないけどさ、本当に大切なことを見つけて、それに自分を合わせて生きるのって、すっごく楽しい」


吉田篤弘『つむじ風食堂と僕』、読了。
世の中そんなに甘くないことは知っている。元のキャリアを取り戻そうなんてできないのはわかっている。さて、取り柄も好きなこともない32歳の私はこの先どうしようかと思った。それで、5冊だけの本屋をはじめた。選書サービスがまだそれほどメジャーではなかった頃にはじめて、なかなか認知されなかったけれど、とりあえず、10年続けてみようと思った。何があっても、10年続けよう。もしも10年続いたらきっとそれは私にとって本物だと思った。この本は、そういう私を支えてくれた本で、特別な本。そして、改めて今読んで思うことは、自由で時間にも縛られずに永遠と好きなことだけしていられることが本当に恵まれていると思う。

「若いときは朝から晩までケーキのことばかり考えてたけど。じゃないとなんとなく誠実さに欠けるような気がして―」

「でも、歳をとったら考えが変わりましたね。というのは、あたらしいケーキを思いついたり、味をよりおいしくするアイディアが出てくるのって、仕事を離れて遊んでいるときだから。仕事だけになっちゃうと息苦しくなって、好きなものも嫌いになってくる」
「そもそも父は『この町のひとたちのためにつくる』と自分で決めている」
「まずは、自分の隣にいるひとに、おいしいって言わせなきゃ。お父さんはそういう考えなのよ」



『ペガサスの解は虚栄か?』森博嗣、読了。人間の生殖、子孫繁栄に関する技術。現在の人類を治療する技術か、まだ少数残っている生殖可能な人類保存するか。子供を産むことができるウォーカロン。あぁ、この美しい世界観大好き。

「私は賞には価値を見出せません。私の動機は、単なる興味本位のものであって、他者に評価されることではないと捉えています」

「妻も子も、私の最愛の存在であることに変わりないという事実です。血縁などに、私は価値を見出しません」

女性のための選書サービス/5冊だけの本屋

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