ある日。
今日で、年末年始休暇が終わる。朝6時に起きて朝食前に仕事をする。夫も本日まで休みのため、よく眠っている。11時ごろになりお腹が空いてきたので、思い立ってブランチをコンビニに買いに行く。自分で作っておきながらおせちとお雑煮に飽きた。それでいそいそと準備していると夫が起きて、一緒に行く。寝起き5秒で出かけられる夫のテンションをいつもながら尊敬する。二人でナポリタンを買う。ナポリタンを食べながら、今日は何をしようかと話し合う。北鎌倉に出かけたかったので、その旨を話す。今年はとにかくがむしゃらに働こうと思っている。前の日に鎌倉で勝運のお寺を探していたところ、どうやら北条時宗が開いた円覚寺がそうであるらしい。そこで円覚寺に行くことにする。北条時宗。よく存じ上げませんが、どうやら元寇の人らしい。二度の襲来を回避したというどうやらこれは勝運としてはよさそうだ。それを夫に話したら、夫が通っている甘縄神社も時宗の産湯があるんだよという。私たち夫婦は甘縄神社に通い始めてからものすごく運気がよくなったのだが、これは天照大御神ではなく時宗パワーだったのではないかという話で盛り上がる。
洗濯をして、キッチンマットを洗い、愛犬のあれこれを干して、掃除機と床磨きもして出かける。北鎌倉で気になっている喫茶店があり、そこでコーヒーを飲んでから行こうと相談していて意気揚々と行くと休みであった。その並びにある御菓子司こまきに行ってみたかったので、夫に言うといいね!ということになり程良く混んでいる店内に入る。御菓子と抹茶のセットといなかしるこを頼む。御菓子屋だけあって、掛け軸と生け花も美しく、お庭を眺められる大きな窓は窓があるのかどうかわからないほどきれいに磨かれていた。夫は和菓子店にはうるさい人で、「こういう清潔な店はまちがいなく美味しいから楽しみだ」と言っている。出てきた御菓子は光琳の松というもので、お抹茶は虎と月の絵柄のもので、全く知識のない私だがその美しさにしばらく眺めていた。御菓子をぱくぱくと食べ、抹茶をずずずーっと啜る。よい。よい。よい。なんだかとても清々しい気分だ。眼の前で熱いいなかしるこに手を焼いている夫に、円覚寺しまっちゃうから急ごうとせかす。隣のテーブルの大きな関西弁で孫息子の自慢話を永遠にしていたおばあちゃまがお会計に行くと端数の3円がないとごねている。なんで3円なの?とか言っている。それにも動じずに店主らしきおばあちゃまが、消費税など計算するとそうなるんですよ~とのんびりと言って、がさがざと探している女性を静かに待っている。それを見て、あ、一万円札しかないなと気づいた私。夫に、端数2円あるか?と聞く。そうしたら千円札もあるし、出しておくよと言って、私たちは準備万端で次の会計を待っていた。それらを会計皿に乗せると、店主の娘さんらしき女性が、「細かいのもありがとうございます!助かります」と言いながら、お会計をしてくれた。とてもおいしかった旨をお伝えすると、とてもやさしい笑顔で「ありがとうございます。よかったです」と言って、引き戸を開け、私たちが見えなくなるまで見送ってくださった。それをみた夫が「とてもおいしいし、清潔で、接客も感じがいいから、御参りのときにまた来よう」と言ってくれた。そして、「端数出してくれてありがとう」と伝えると、「おい!端数だけじゃなくて全部出してるからな」と念押しされた。
円覚寺に入る。今日は、いろいろ下調べもしてきたし、いつもは奥まで行ったことがないので、隅々まで回ろうと奥まで行ってみる。すると、なんと時宗の月命日であったらしく、時宗のお墓のところでなんとなく運命を感じながらもお線香をあげて、お参りすることができた。奥まで行くと時宗の奥様もそちらにいらっしゃるようだったので向かうことに。夫が「12歳で結婚したらしいけど、夫婦仲はよかったらしいよ」と言う。夫婦仲がいいってなんかいいなぁと優しい気持ちになる。円覚寺は、いつもくるたびに清々しい気持ちになって、パワーみなぎる感じがする。あっという間に閉館時間になりいそいそと出て帰る。
帰り道、スーパーに寄って帰る。夕飯に何を食べるかで夫と話がかみ合わず、気づくと夫が珍しくめちゃくちゃ怒っている。だが、私には何が起こるポイントなのか分からない。そういうとき、ちょっとはわかろうとするのかもしれないが、しょせんは他人なんだからわかるはずないじゃんと割り切っているので、私もただ夫をなだめることに徹する。すると「俺はすごい怒っている。去年一年間を含めても今が一番怒ってる」と言う。え?なに?なんでそんなに怒っちゃってるの?どうしたどうした?と思わず笑ってしまう。人が本気で怒っている姿ってなんか可愛いし可笑しいのよね。よくよく話を聞いたけれど意味がよくわからなかったし、私が夫にかけた言葉たちも見当違いであきれるとか言われたので、コンビニによって何か買ってあげることにする。きっと夫はお腹がすいていたのだろうということで、私は理解した。きっと違うんだろうけど。
結局、家に入るころにはすっかり二人で大笑いしていた。それで二人でおせちやお雑煮をつまんで食事を終えた。
夜、谷川俊太郎の本をいくつか読む。うーん。きっと求められている選書はこれではないんだろうなぁと、読んでいて感じた。せっかく5冊のラインナップとしてはバランスがいいけれども、違う本にすることにする。また、明日いくつかピックアップして読んでみよう。なんて考えていたら眼が冴えてしまった。困った。
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