ある日。
日曜日の朝、8時に起きる。私たち夫婦にしてはかなり早い。
朝食、キーマカレー、温玉のせ。
大量に作っておいたキーマカレーに温玉をのせて食べたらとんでもなく美味しかった。今日は昼を食べる時間はなさそうだったので、二人でモリモリ食べる。
朝食後、夫に食器の片づけを頼み、掃除機をかけたり、床を磨いたり、マットを洗ったりする。それから身支度を整えて、カーリング女子決勝戦を二人で見る。カーリングって、ゆったりと長い競技のようでいて隙が無いので、TVにかじりついてみていないといけない。そのために夫も私もいそいそと準備をした。結果は、負け。銀メダル。今回のオリンピックではとにかく高木美帆を応援していたので、カーリングはそれほど熱心に応援していたわけではないけれど、終わってしまったらなんだか急に負けたのが悔しくて悔しくて、なぜか選手たちよりも私が大泣きしてしまう。その私を見て夫が驚いていた。
お昼過ぎ、義父母がやってくる。今度、出かけるときに愛犬の世話を頼む。それについてあれこれ伝える。義母、開口一番「私、ここに泊まろうと思うのよ」と。どうやら愛犬家のご友人にあれこれ聞いて、犬は一人で寝るの淋しいわよと言われたらしい。そのため、うちに泊まって甲斐甲斐しく世話をするということらしい。義母にそんな愛情を持たせた、うちの愛犬はどれほどみんなに愛されればいいのだろうか。しかも、嫁たちに気を遣わせないようにと、決して息子たちの家には長居しないことをモットーとしている犬嫌いの義父までもがやってきてデレデレである。散歩をしているときに犬を見かけると、可愛いとか犬種がどうとか言うようになってしまったらしい。愛犬が来て丸三年。家族をどんどん変えていく愛犬のすごさよ。びっくり。夕方ごろまでおしゃべりなどして、二人は帰る。
夕食、中華風サラダ、酸辣湯、チャーハン、餃子。
夕食の準備を夫に手伝ってもらった。酸辣湯は大きくて酸味の強いトマトを倍量、お酢も倍量なので、疲労困憊の体に染み渡る。夫もおいしいおいしいと。疲れているときに、こういうわちゃわちゃした料理を食べると気がまず前向きになるからよい。
大量の食器を洗い、大河ドラマを見る。源頼朝の強運が面白い。本当にこんなに強運だったのだろうか。だとしたら、やっぱり八幡様にお参りに行ってあやかりたい。私のモットーは、「全ては運とタイミング」である。運を少しでも上げたい。お参りに行こうか。夫と運の話になる。私は夫も驚くほどの超リアリストだと思われているが、そうでもないと自分では思っている。現実の世界を超えた信念がない限り新しい何かを生み出せない。そういう強い信念こそがパワー、強運となるのだと思っている。一方で夫は、自分ではそれほど思っていないようだが、いつまでも現実主義で、現実世界で生きている人だ。運も、神も、仏も信じない。私が源頼朝が強運であったということを信じ、パワーをあやかりに行こうともくろんでいた横で、夫は史実を確認する。歴史をさかのぼる。私の影響で運とかパワースポットとかを信じるようになって3年。夫はどこまでも現実に基づき生きていて、目に見えない信仰はしない。信仰はご先祖とかそういったものだ。同じ運を追うものだが、この違い。面白かった。
ここ数日で気づいたことがあった。結婚11年目にして、夫の好きなところを見つけてしまった。それを伝えようと夫にその旨を話すと、「え?10年くらい一緒にいて、いまそのことに気付いたの?遅すぎない?何なの?」と怪訝な表情をされる。それは夫の最大の武器でもあると思ったので、夫に「自分の強みって何だと思う?」と聞いてみる。するとネガティブ、保守的、と言う。間違いない。当たっている。けれどもそれは長所ではなく短所だ。まったく見当違いなことを言うので、夫の一族では夫と甥っ子しか持ち合わせていない優しさと思いやりの塊みたいなものだと伝える。全然思い当たらないらしいので、面倒になってそれが「ユーモア」であることを伝える。夫も甥っ子もユーモアのセンスが抜群にいい。私も、義両親も、義弟夫婦も姪っ子も生粋の負けず嫌いなので、会話をしていても相手を打ち負かそうとしてしまう。それでただただ不穏な空気を作ったり、相手に不快な思いをさせたりするけれど、二人はその会話の途中でポンとユーモアあふれる一言を投げ込んでくる。それに皆が笑うのだ。これは明日からそうしようと思ってもできない独特のセンスである。自尊心の高さ、他人と比較したり、相手をやり込めようなどと言う価値観を一切持ち合わせていない人にしかできないのではないか。それを伝えると、夫はそんなのみんな持っているという。そうきっとみんな持っているのだ。でも抜群のタイミングでそれを出せるかどうかが問題なのだ。私だって自分では自分の長所に気付かなかった。でもそれが強みとなって今はこうして好きなようにできている。夫にもユーモアを武器に、何か楽しく生きていってほしい。
夫婦で語り合った夜。おやすみなさい。
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