2023年6月13日(火)
晴れ。26℃。湿度75%を超えて、まとわりつく暑さ。
先週から不調のため休んでいた。とにかく選書ができない。全くできない。どれだけ粘っても全くできる気配もない。疲労だけが蓄積していた。あきらめて、休むことにした。自由に、好きなことだけをやって過ごすことにした。
大量に積み上げられた積読本の中から今読みたい本を選び、リビングにて読む。ソファに座り、クッションを膝にのせて本を置こうと思ったら、クッションの上に愛犬メールがのってきたので、メールと一緒に本を読む。まず、糸井重里の『生まれちゃった。』を。「小さいことばシリーズ」の最新刊。その中にこんな言葉があった。「1 一日、どんないいことがあったか。無理にでも探して手帳に書く。2 だんだんいいことの探し方がじょうずになる。3 そして、いいことのつくり方がわかってくる。」と。持病で療養中、生きていくのが精いっぱいで生活も破綻して、未来には絶望しかなくて、そんなときにほぼ日を使いはじめた日のことを思い出す。たのしかったことなんて何日に一回しかなくて、それをその日のところに書いた。慣れてくると、未来の頁にこんなたのしいことがあったらいいなということを書いていた。これをしていなかったら、私は今も廃人だったにちがいない。ほぼ日手帳に救われた日々のことを思い出した。あんなにつらかったのに、健康と日常を取り戻した今となってはすっかり忘れていたことだった。そのまま読み進めると、野球場で食べているシウマイ弁当の写真が出てきた。食べたい。時間を見ると午前11時。急いでシウマイ弁当を買いに行く。ついでにスーパーに寄った。お肉を買おうと店員さんを待っていると、腰が曲がっていてカートを押している小さいおばあさんが、すき焼き用のいい肉を買っていた。見たらいつもより安い。お店の人が、300グラムでいいですか?とおばあさんに見せたお肉が何ともおいしそうに見えた。牛脂つけておきますねと。それにつられて、私もそのお肉を200グラム買った。急いで野菜コーナーに戻り、トマト、バジル、玉ねぎを買う。夜は、トマトすき焼きに決めた。きっと夫は喜ぶだろうとにやけてしまう。
昼、夫と二人でシウマイ弁当を食べた。そして、また読書に戻る。
夜、トマトすき焼き。〆にパスタ。それを食べながらおばあさんのことを思う。うちは200グラムでも多いのに、おばあさんが300グラムってなんかいいなぁと思った。私も将来肉をたらふく食べれる元気なおばあちゃんになりたい。
次の日。昨日に続き、本を読みまくる。選書なんて関係なくて、自分が今読みたい本を読む。伊藤まさこの『する、しない』、益田ミリの『今日のおやつは何にしよう』、森見登美彦の『聖なる怠け者の冒険』を読む。『聖なる怠け者の冒険』では京都の宵山が舞台で、京都に行きたくなった。スマート珈琲にもイノダコーヒーにも行きたい。なにより、主人公の怠けぶりに随分と癒された。私はこうして休んでいると後ろめたさから、結局気が休まらない日が多い。休息の重要性を初めて実感している。ネットで買っていたTWWのブラウンの日傘が届いた。超軽量化されたそれはとても扱いやすく、今から使うのがたのしみだ。雨傘もTWWの赤いものを使っている。雨が待ち遠しくなるほどに好きな傘。結婚祝いでもらった高級な炊飯器がいよいよ寿命を迎えそうなため、炊飯鍋を買った。夫婦二人、お米を3合も炊くことなどなくなり、一人用の炊飯鍋で気軽においしく食べようと思ったのだ。
次の日。いよいよ満を持して川上未映子の『黄色い家』を読み始める。書き出しから、一気に物語に引き込まれなかなか止まらない。でも一気に読みたくないような気もする。だから途中で盛大に休憩をはさむ。言葉ノートにしているモレスキンを読み返す。2021年の夏ごろ。私の読書生活は、とても楽しそうだった。最近の私は、人のための読書ばかりしていて、自分の読書を忘れてしまっていたのかもしれない。好きな本、好きな言葉だけに触れ、どんどんアイデアが湧いてくる。選書できそうな気がしてきた。回復はもうすぐかもしれない。クローゼットの整理をする。自分用のクローゼットにはそのシーズンに着る服だけを入れていたが、すべての服を入れることにした。それを断捨離しながら、アイテムごとに並べる。美しい。気が向いたので図書館に行ったら休みだった。コンビニでカフェオレとスイーツを買ってきて、それを食べながら読書を再開。
次の日。映画「岸部露伴 ルーヴルへ行く」を夫と見に行く。夫はジョジョの大ファン。私はジョジョを映画で知り、岸部露伴はドラマで見ていて好きだった。二人で公開を楽しみにする映画は数少ない。チュロスとコーヒーを買って見る。ルーヴル、映像、音楽、衣装、美しかった。荒木飛呂彦氏、よく存じ上げなかったが本物の美しいところが好きになった。夫に遅れて、ついに私にもジョジョブームが来た。映画の後、インドカレーを食べる。海老とトマトのカレーとバターチキンとナン。食べていると、近くの席の赤ちゃん用の椅子に座っていた男の子と目が合い、手を振る。すると男の子も笑顔で手を振ってくれた。嬉しくて私もぶんぶんと手を振ると、一緒にいたお母さんが気づいて、「○○くん、こんにちはってやってごらん」と言うと、男の子はこんにちはと言い、頭をちょこんと下げた。私もこんにちはと手をそろえて頭をちょこんと下げた。そのあと、本屋で父の日のプレゼント用の本と、自分用の本を買う。金原ひとみのエッセイが文庫化されていて嬉しくて買う。精神の複雑さをすべて言語化しているところがたまらなく面白い。スタバでマンゴーフラペチーノを買って帰る。ずっと食べてみたかった弁才天のフルーツ大福の甘夏も買った。いつも売り切れているのがたまたま売っていた。いつもはスイーツにここまでお金を払うことはない。でも食べたくて食べたくて、甘夏だけ買った。糸で切るという和菓子独特の切り方が、どうしてもできず、案の定ぐちゃぐちゃになった断面図と果汁が漏れ出てぐちゃぐちゃになりそうであせって食べてしまい、忙しかった。甘夏大福とマンゴーフラペチーノ。好きな組み合わせだった。幸せな夜。
次の日。お昼からお好み焼きパーティーをする。ホットプレートがないので、フライパン二個を駆使して焼き始める。ふかふかでおいしい。夫がおいしいおいしいと言って食べていた。私も2枚も食べた。その後で焼きそばも作って食べた。そして、『黄色い家』の続きを読む。花ちゃんの言葉は、著者の初期エッセイに書いてあった言葉そのままだ。お金がない。どれだけ働いても貧乏から抜け出せない。花ちゃんの言葉が胸に突き刺さる。引っ張られそうになる。夫は、ジョジョのアニメを見ていた。夜、日記を見返したら、昨年の今日も広島焼パーティーをしていたようだった。一年に一回、やってくるんだな。
それから数日ぼーっとして、今日を迎えた。
昼 たらことすだちのパスタ。
不調のため、夫が作ってくれた。この夏は、これだけを食べ続けたいほどさっぱりとおいしかった。
図書館から借りてきた庄野潤三を3冊読む。庄野潤三作品で一番好きなのは『うさぎのミミリ―』。でも今日読んだ『プールサイド小景・静物』と『夕べの雲』も好きになった。夏葉社から出版されている『山の上の家』も読んだ。よかった。どれもゆったりとした日記風な物語で、じめじめとまとわりつく今日、熱々の黒豆茶を飲みながら読み進めるのにぴったりだった。
夜 大根と鶏肉の生姜スープ、新生姜と油揚げの炊き込みごはん、茄子ときゅうりのぬか漬け。
湯船にたっぷりと浸かり、風呂掃除をした。いよいよ満たされてきた。私、すっからかんになっていたんだな。休息しないと、こうなるんだな。
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