ある日。

朝、トースト、ヨーグルト、ミルクテー。夫はいつも愛犬に甘いので、ヨーグルトをせがまれると自分が食べるより先にあげてしまう。そのためか夫のことを愛犬が見下すようになり、夫の優しさが仇となっている。散歩も夫と行くと全く歩かない。私も夫のことをたてようと試みる。でも、きっと愛犬のなかのボスは私一人。


非常に怖い夢を見て、朝起きるのが怖かったので夫を5時にたたき起こした。「怖い夢を見た!みんなに裏切られる夢、はめられた夢を見た!」と伝える。すると、「夢なんだから、夢でよかったねってやった?」と言う。「やったよ、もう30分も自分に言い聞かせている」と伝える。これは夫が私にやった方がいいとよく言う、怖い夢を見たときの対処法。私は夢にひっぱられすぎるので、「ゆめでよかったね」と自分に言い聞かせ、夢を自分自身で客観視する方法。怖いから、部屋までついてきてと頼む。けれど眠気に勝てない夫はもう寝なさいという。それで寝てしまった。起きたら3時間寝坊していた。


それから寝坊を巻き返すように仕事をし、夜に仕事を終えたのは夫と同じタイミングだったので夫に料理を手伝ってもらう。夫は切る専門、私は調理専門と分業で取り掛かる。大葉をこまかく切ってもらおうと夫に頼んだら、太くて笑ってしまった。笑われた夫は、「なぜ笑うのか」というので、「思ったより太かったから、でも私は太いのもたまにはいいなと思うよ」と伝えた。すると、夫は「俺はやっぱり細い方が好きだからもっと細かく切ろう」と言って細かくしていた。よって二種類の大葉。フリルレタスも、私はいつも一口サイズにカットしてしまうが、夫は細かくしたつもりが意外と大きかったらしく、きみのサラダはもっと小さくて食べやすいのになと言っていた。私はフリルレタスは大振りでワシャワシャむしゃむしゃたべるのも意外といいなと思ったので、これはこれで好きだと伝える。私たちはお互いを尊重できているなとこういうところで思うのだ。ということで、夜はフリルレタスとアーリーレッドのサラダ、水菜の肉巻き、大葉とチーズの肉巻き、豆腐とわかめの味噌汁。夫は大葉とチーズの肉巻きが大好きなことを発見した。だから、「チーズを肉で巻いたヤツ好きだよね?」と聞いたら「うん、おれチーズ好き」というので、今度からチーズもストックしておいてあげようと思った。


『縁結びのカツサンド』読み終えた。最高に好きな本。小川糸の再来?とにかくおいしくてほっこりのたまらない本。とある商店街にある昔ながらのパン屋を舞台にしたあたたかくて、おいしい物語。「否定するとすべての道が閉ざされる」っていう言葉があって、ここがいいなぁと思った。


『心がほどける小さな旅』も読み終えた。ずっとお風呂につかりながら、この本を読んでいた。桜花賞や薩摩線の旅。岐阜・郡上八幡でオールナイト盆踊り。奥入瀬ホテル、釧路湿原でカヌー。私も行ってみたいところばかりだった。お風呂からでてすぐにメモを取った。特に観光列車的なものにものすごい興味があるので、楽しそうだなぁと思った。あと、釧路湿原でのカヌー。私は、なぜかカヌーが好きで、やってみたいことの一つなのでこれも絶対に行きたい。 

あぁ、どこか遠くに行きたいなぁ、そう思うときって、たいてい休めなかったり、予定があったり、しがらみがあったり、身動きが取れず、知らず知らずのうちに心がかちこちに固まっている。そうだ。私は窮屈さを感じていたのだと気づいた。私はなんかモヤモヤしていたのだった。だけど、こんなご時世で旅に出ることは躊躇してしまう。だから、私は益田ミリさんの旅エッセイの中でも好きなこの本で疑似旅行を楽しんでいたのだと思う。

「旅というのはとっても便利。強引に気持ちが切り替わる。というより、切り替えないと、旅には出られないのである」

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