ある日。

疲労のためなのか起き上がれず。通常通りに起きた夫に辛うじて、「ごはん、炊飯器。明太子とみそ汁」と、伝える。福岡にいる義弟が送ってくれた明太子があると伝えたかったのだ。夫が食べ終わったころに、ようやく起き上がった私の顔を見て夫が一言。「目が全然開いてないし、顔がやばいくらい白い」とのこと。通りでなんだか具合が悪いような気がしてきた。これはPCも開けないなと早々に仕事をあきらめてベッドで休むことにした。ちょっと寝て、ミシマ社から出版されているデザインも中身もキュートな益田ミリさんの『しあわせしりとり』を読みふける。このエッセイ、大好き。 友人たちとしりとりをしながら散歩したり、九段下に夜桜を見に行って綿あめを食べたり、ダイエットしたり、自転車の練習をした子供のころを思い出したり、そういうすべてが大好き。心に残った言葉、「大丈夫じゃないときに大丈夫と言って、 自分の言葉に苦しめられたのである」というところ。私の口癖も、夫の口癖も大丈夫だなと思う。大丈夫と言って相手を気遣う一方で、自分を気遣っていないと反省する。そんな積み重ねが、ときどき出るとてつもない疲労と体調不良になる。

武田百合子の『富士日記』も手に取ったものの、文字が多すぎてダメだった。そもそも食欲もないのにほぼほぼ食事日記のようなものを読むのはつらい。

そのまま、昼過ぎまで眠ったら復活した。前の日から無性にメロンパンとあんパンと牛乳を欲していたのでコンビニに買いに行く。夫はピザまんとあんパンとヨーグルト。それで、私がもくもくと食べているのを見て、「どうしてきみは、メロンパンには牛乳なわけ?」と聞いてくる。ちょっと考えてみたけれども分からない。なんとなく昔からだるくて疲れているときには、牛乳を欲するのだ。牛乳に合う食べ物がメロンパンとあんパンだったというだけ。メロンパンまたはあんパンを食べながら牛乳を飲んでいる自分の姿を客観視してみると、それはまるで昔の刑事ドラマに出てくる張込中の刑事のようだと、いつも思う。きっと何の調理もされていなくて、手軽に食べれて、残して後で食べても平気な無機質な食べ物が食べたくなるのだと思う。もともと、味付けの濃いものは苦手だし、自分一人なら無機質な料理ばかり食べているだろうなと思った。

夕方に、仕事中の夫を残して、夫の親戚に年始のごあいさつ回り。夫の親戚の人たちは、みんな嫁である私に優しくしてくれるので、本当に感謝しかない。そして、家に帰ると、今度は夫が疲労でダウンしていた。青白い顔をして、倒れていたのだ。この人は、本当に働きすぎでいつ死んでもおかしくないほど働いていたので、いいかげん休んでほしいと思う。それでも、夜はカップラーメン食べるし、おとなしくしていないので本当に困った。体調が悪い時くらい、妻の言うことを聞いてほしい。

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