ある日。

朝、トースト、ココア、ヨーグルト。

昼、肉じゃが、納豆ご飯、もずく。夫は健康診断を控えているため、これでもかっていうほどもずくとめかぶを食べている。高血圧。

夜、肉じゃが、アスパラの肉巻き、シーザーサラダ、もずく。

なぜか私は、疲れているときほど肉巻きを作りたがる。いいアスパラをスーパーで見つけて、15本も買ってしまった。それをひたすら、豚しゃぶ肉で巻いていく。しゃぶしゃぶ用に薄くスライスされて、丁寧に透明シートで挟まれているところから一枚一枚をはぎ取り、巻いていく。気づいたらものすごい量で、皿を見て驚いた。アスパラが15本、でも肉は12枚しかなかったようで、余った3本をそのまま焼いた。夫が、「この人たちは肉に巻かれてないんだね」と聞くので、何度も数えて、アスパラと肉の数は一緒だと思ったけれども、巻いたら足りなかったことを伝えた。「きみは、そういうところまで几帳面にやるのに、こういうことが起きるから面白いのだ」と言う。


不調で元気がないため、夫に私なんていいところ一つもないと嘆く。すると夫がこう褒めてくれた。「きみは気が強くて、自由奔放で、わがままで、すぐに泣いて、意地悪なところがいいんじゃない」と。これって、すべて悪口なんじゃないだろうかと思う。


食後、向田邦子のベストエッセイを読み終えて、帯を見たら、「お人好しと意地悪、頑固と機転・・・人間の面白さを描いた名エッセイ!」と書いてあった。なんとなくワードがさっき夫に言われたことに似ているようなと思い、夫に見せると、「これはまさしく君だな」と。そうだ、私は基本意地悪なのだ。わがままなのだ。残念ながらお人好しではない。

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