ある日。

春先は、いつも体調が悪い。朝も起きれない。ずっとだるい。寝つきも悪い。よって、しばらく朝寝坊の日々だったが、久しぶりに早く起きれた。けれども、不調のせいで、朝食食べれず。夫にも痩せたと言われる。私が痩せるなんて、それはなかなかないこと。そのまま、横になって午前中過ごす。すると陽の強さとともに、私も元気を回復しお腹が空いてきたのでお昼を食べる。塩ラーメンにトマト、レタス、もやし、せりを入れて野菜たっぷりに。生姜もたっぷりといれて、体があたたまってきた。


『赤いモレスキンの女』読了。発売日にこれは読みたいと思ったけれども、初読みの作家だったため図書館で予約していた。それがやっと届いた。嬉しくて、ちびちび読んでいた。2週間ちびちびちびちびと。楽しかった。読み終えて、図書館に返却してもこの本のことを何度も思い出して、これは絶対に欲しいと思い買った。あぁ、満たされる。絶対に手に入れてちびちびと再読しようと誓う。赤いモレスキン愛用者としては嬉しい物語。原作ではモレスキンではないらしいが、モレスキンと翻訳されたことでこれは日本人にはまるだろうなと思っていたら、まんまとはまった。パリの書店や読書の魅力もふんだんに描かれているので、私のような読書と書店が好きな人にはたまらない。モレスキンの持ち主の、ロール目線でバッグの中身が描写されているところがあって、そこが好きすぎて何度も読んだ。荷物が少なく、超合理的で無駄なものは持ちたくない私にとっては、「それって持ち歩くひつようある?」っていうような、愛着のあるものや愛おしいものしか入ってないそのバッグの中身はその全てが憧れだった。あとがきに、この本は、コロナ禍でカミラ夫人が推薦図書を発表し、読書を通じて、国民を励まそうとしたという、そのブックリストに唯一掲載されたフランスの本だったらしい。夫のチャールズ皇太子の新型コロナウィルス陽性が判明してから、二週間の隔離生活を余儀なくされた彼女はヘミングウェイの言葉「本ほど信頼できる友はいない」を引き合いに出しながら、「大切な人から隔離された時、人は読書に癒しを求める」という言葉を添えて九冊のお気に入りの作品を発表したとのこと。


午後から仕事。夕方まで仕事して、どうも日が沈むとやはり不調になるため、夫と気分転換に散歩に行く。

夜、何を思い立ったか焼肉。そういえばここのところ牛肉を摂取していなかったんじゃと思い、冷凍しておいた夫のお気に入りのお肉で焼肉をした。でも、肉よりも私はどうしてもピーマンが食べたくなって結局、大量のピーマンを焼きそれを延々と食べていた。あと、もやし。お肉は丁寧に夫が焼いてくれた。一枚一枚焼き終えるごとに「もうこれ食べていいからね」と言われたものを受け皿に取るのだけれども、そこにたまっていった。そして、お米もろくに食べていなかったなと思い、おかわりもしてして二杯も食べた。久しぶりにエネルギーをたっぷりとったという気分。


お風呂に入って、リビングに戻ってきたら、牛肉の臭いが残っていた。あぁ、この血なまぐさい感じの残り香が嫌いだから、私はハンバーグも作りたくないし、焼肉も家では牛肉を使いたくないんだと思い知らされた。この後味の悪さ?のせいで、私はしばらく牛肉が食べれなかった。就職してすぐに、私の所属するチームが表彰され、インセンティブががっぽり出たので、忘れもしない新宿のオペラシティの叙々苑で夜景を見ながらみんなで、特上を上からオーダーして食べた。ひたすら野菜を食べる私に上司が「お前も肉食いなさい。ふだんからろくに食事らしい食事をとらないんだから、今日はお前がいっぱい肉を食うべきだ」といって、まるで親のように私にたくさんの上質のお肉を乗せてくれた。それを食べたら驚きのおいしさだった。それから、牛肉が食べれるようになったのだ。牛肉を食べるたびに、この日のことを思い出す。人生で初めての上司はいつまでたっても忘れない。

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