ある日

起きたら昼だった。会議を終えた夫が、「昼だよ。お昼食べる?」と起こしてくれた。夫が、「瘡蓋取れてるよ!」という。口唇ヘルペスの瘡蓋がどうやら取れてしまったらしい。ちょっと痛いが、水を飲んだりするのにストローを使わなくても飲みやすくなった。夫は、最初虫だと思ったようで、驚いていた。


昨夜は全然眠れなかった。相変わらず肋骨が痛くて寝返りを打つたびに起きた。こうして夜になると痛んで、明日は病院に行こうと思う。でも起きると、痛みが和らいでいて行かなくても平気だなぁなんて思ってしまい、夜になると後悔をするというのを2周間はやっている。


昨夜の残りの焼きそばを夫が温めてくれたので、それを二人で食べる。昨日の夢に夫が出てきたので、その夢の話をする。銀座の路地裏の個人の和菓子屋に夫が修行に行って、その様子を私がみにいくという夢。夫が師匠と紹介してくれた人は、金髪でチャラチャラした若者だったので驚いていると、夫が「師匠が作るのはなんでも美味しいんだ。この店にはメニューがないからなんでも言えば師匠が作ってくれるよ!」と言った。私が「じゃ、冷やししるこ」と頼むと、夫は「いいねー目の付け所がいい」という。師匠の冷やししるこはさらりと気持ちのいいしるこがとても好みだった。って言う夢。夫が「冷やししるこを頼むところが渋いね」と言った。


食べ終えて、夫が代わりにライブラリーに行ってくれた。肋骨が痛くて、歩けない。重い本が持てないからだ。帰りに夫はドラッグストアで冷凍のそばとどん兵衛のそば、カステラとシルベーヌを買ってきた。そばとカステラが欲してたんだね。被ってる。


それから夫は仕事をして、わたしは片岡義男の『窓の外を見てください』を読む。終わってしまった。よかったのになぁ。梅雨の時期に読むのにぴったりだった。世田谷、若林、下高井戸といった、かつて私が住んでいたエリアが出てくるのもいいし、冒頭にスペアリブの甘酢炒め、トマトと卵の炒めと言った初夏に食べたくなるような食べ物が出てきたのも好き。日常を描いているのに、そのなかにあふれる非日常がとんでもなく好みだ。私は日常の中にある非日常の物語が好き。吉田篤弘とか江國香織とかも。あと、美しくて役に立つ物語が好きだ。美しくないと、なんか気持ち悪くなるし、何度も手に取ろうとは思わない。


30℃近くあったので、日が暮れた夕方に愛犬の散歩。肋骨に響かないように、そっと歩くので時間がかかった。愛犬は舌が出てはぁはぁいっていた。私も息切れ。


夜、口唇ヘルペスが治りかけて、いろんなものが食べやすくなったので、納豆を食べる。あと青椒肉絲、牛丼、買ってきて食べた。メニューはなんだかチグハグしているけれど、まともなご飯を食べたかったのだ。パワーがついたような気がする。


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