ある日

朝、愛犬がキュンキュンと、鳴いていたのでそれで二人とも起きる。夫が急いで餌をあげに行く。私は、私たちの餌を作る。サラダ、鎌倉ハムの厚めのやつ一枚ずつを焼き、ブロッコリーを5個くらい、その隣に置いた。夫が目玉焼きも食べたいというので、その隙間に卵を割り入れる。夫は食パンをカリカリに焼いてたっぷりバターをのせてくれる。いろいろできて、コーヒーをドリップ。義父がくれたコーヒーをドリップするのにハマっていて、私は紅茶派だし、夫はコーヒーを1日一杯しか飲めないのに、毎日5杯分くらいはドリップしている。こんな楽しい世界がまだあったのか。いよいよハマりそうな感じ。でも、誰も飲む人がいないので困る。


二人で片付けをして、愛犬の散歩。ここのところ、私が不調のため、夫と二人で渋々散歩に出ていた愛犬は、私がいるせいでとても浮かれているようだった。夫も驚いている。ものすごいスピードでぴょんぴょん走っている。嬉しい。

鎌倉のイワタコーヒーにコーヒーとケーキを食べに行く。桃アレルギーなのに、どうしてもショートケーキを食べたくて桃のショートケーキを頼む。そのケーキのトップに鎮座する目玉とも言える大きい桃を夫に食べてもらう。夫も、いいの?と言いながら恐縮気味。、私が代わりにそのモンブランのトップの栗をちょうだいなと言ったら、もの過ごく悲しそうなかおをしていた。私の桃の価値と夫のからの価値の差は大きい。二人で、ちょっとした相談をして、本を読む。気づけば夕方になっていたので、向かいにあるトンカツ屋でかつ重を食べることにした。
相変わらず清潔な店内。とんかつをあげているおじさんの隣に優しそうなおばさん、その奥には腰の曲がったちっちゃなおばあちゃんの三人が厨房にいて、店内の接客は若い女性が一人でこなしていた。家族かな?と思ったらみんな敬語ではなしていたので、あら、ちがうんだとわかった。漬物と驚くほど熱いワカメと三つ葉の味噌汁。そしてかつ重が運ばれてくる。店員さんたちが暑いからアイス食べて涼もうと話している。どうやらハーゲンダッツがあるようで、若い女性はグリンティー頂きますと言っていて、優しそうなおばさんはストロベリーにしようかなとキュートな声。ちっちゃなおばあちゃんは私は冷たければなんでもいいのよと。あぁ、この会話がほのぼの。かつ重は、白いご飯が盛大に敷き詰められ、その上にうっすらとキャベツ。さらにソースを纏った薄いヒレカツが、4枚なっていた。ソースが下まで届き、シャキシャキを失って扱いやすいキャベツの千切りとご飯もソース味。おいしい。川端康成など文豪が食べたと言われると、つい自分も文豪になったような気分になる。ふと、横に立っている若い女性の店員を見ると、文庫と水が置いてあり、読みながら過ごしている。若いのに携帯をいじったりするでもなく、文庫をカバーも付けずに読んでいるその佇まいが美しかった。何から何までしあわせな時間だった。
満腹で駅に向かい、電車を待つ。大幅な遅延をしていた。
夜、またしても映画シャーロックホームズを見る。続編も見る。夫も巻き添い。気づけば深夜だった。あぁ、続かないのかな。こんなに面白いのにと思っていたら、続編もあるらしい。どうやらコロナ禍のせいか一年遅れているらしい。ぁぁ、今日いちばんな朗報。早く見たい。楽しみだなぁ。


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