ある日。

朝食、雑穀米、鮭フレーク、味噌汁。

朝ごはんを食べているときに、夫が珍しく夢を見たとのこと。夫は普段から夢を覚えていないので、珍しいと思ったらさらに珍しい人が登場した。夫の弟だ。夫は義弟にはあまり関心もないらしく、男兄弟ってこんなもんかなぁと思っていた。連絡もだいたい取らないし、だいたい義弟は役に立ったことがないらしい。関心がなく、話題に上がることもない義弟が夢に出てきたなんて、そんなおもしろいことある?と思って、食い気味に話を聞く。どうやら、二人で団子を買いに行ったらしいのだが、夫がどれにしようか悩んでいる間に、義弟は姿をくらましてしまったということらしい。まず、団子に目がない夫なので、団子が登場した時点で爆笑。さらには、夫はいつもメニューの隅々まで見て決定までにかなり時間を要するので、あぁ夫らしいねと笑う。そして、弟っていう生き物は隣にいると思っている次の瞬間にはどっか行っているもんなんだよなぁと、自分の弟を思い出しながら笑う。面白かった。と思って、立ち上がったら愛犬のう〇ちが足元に転がっていて踏んでしまった。こういうことは珍しいので、まさかそこにあるとも思わず確認もしなかったので、驚きで思考停止した。スリッパを片手に固まる私に、夫が冷静に支持をする。まずはスリッパを拭いて、う〇ちを拾って、床を磨いてと。その間に、夫は食器の片づけをしてくれた。


夫の白シャツをたくさん洗う。夫は、仕事のときに白シャツと黒いパンツなので、同じ白シャツをたくさん持っている。テレワークとなりしばらく着ていないのだが、それが汚れてきているような気がして、襟元と袖に漂白剤を付けて、一枚一枚点検し洗濯機に入れる。新しい柔軟剤も入れる。永野芽郁がCMしている汗のにおいに反応するみたいなやつ。それを買う時に、商品名をしっかり覚えていなかったので、そのCMのことを話して、目の前に無数にある柔軟剤のなかからそれを夫と二人探した。それで、これじゃないの?という柔軟剤が、どんぎつねさんがやっているやつだったので、「それはどんぎつねさんがやっているやつだ」と伝える。それでこれじゃないの?と次に夫が選んだやつは石原さとみのCMのものだったので、そう伝えると、「きみは人で柔軟剤を選んでいる」と言われたので、ムカッとして「違うよ、加齢臭がしそうなおじさんに最適なモノをえらんでいるのだよ」とちょっとした小言を言う。


昼、お弁当。キャベツの肉みそ炒め、卵焼き、さつまいもの醤油煮。

今日はお給料日。久しく銀行に行っていなかったので、いろいろと銀行を回って所用を済ませる。メガバンクの支店が、どうやら統合により隣駅に行くらしいので驚いた。そういうのを見ると、あぁ、ここでこのままお金を預けていて平気かなと思ってしまう。私一人その案内がでかでかと貼られた看板の前でしばらく立ちすくんでいた。それからカフェに入り、久しぶりに一人時間。それにしても緊急事態宣言が出ているというのに、人が多いし、なぜ大きな声で話してマスクをしないのかと謎。私の咳の隣りの中年女性は二人とも薬剤師らしく、薬局の愚痴を大きな声でマスクをせずに話していた。医療に携わってるのに?と思ったけれど、どうなのだろうか?それよりも、その人たちに愚痴られている新人のできなさ具合にちょっと薬をもらうのが怖くなる。どうやら、できることは得意げに確認してくださいと見せびらかしてくるらしいが、できないことや不安があると誰にも見られずにこっそりとことを済ませてしまうらしい。いやいやダメでしょ。てか薬なんだからちゃんとチェックしてもらってよ、死んだらどうすんのよと不安になる。さらに驚いたことに一人の薬剤師はそれが原因で仕事のしわ寄せが激しく、体調を崩してしまったので転職したという。その時にIndeedを利用したという。薬剤師の仕事も取り扱っているんだ。しかも、ものすごいいい条件でいい環境に転職できたと喜んでいて、ものすごくお勧めしている。すごいなと思った。


そんなことを聞きながら私は自分の手帖を開き、勇気について考えていた。ものすごく熱心なファンなわけではなかったのだが、仕事をしているときに安室奈美恵を聞くと勇気がもらえる。ああ、私なんてもっともっと頑張らないといけないなと思う。それはどうしてなのかな。勇気ってそもそも何なのかなと考えていた。調べてみると、どうやら勇気というのは「ものおじせず立ち向かう気力」のことらしい。そういえば私は昔からそのものおじしないところがいいねと褒められることが多かった。ということは、私は勇気は持ってるんだなと気づく。というか、私はそもそも何でも怖がるし、不安でいっぱいだし、幼いころから体も弱いし、敏感で、気難しい性格だったので、すぐに勇気に頼っていたのだ。ということは、私は勇気しか持ち合わせていないのではないかと思う。何をするにも、どこへ行くにも、いつも手をグーにして強く握り、勇気をもって乗り越えるのだと自分を鼓舞していた。あぁ、こんなことで貴重な勇気は使いたくないのに、また使ってしまったなぁなんて思いながらも行動しているのだ。私ほど、勇気と神様頼みな人間もそうはいないと思う。じゃ、勇気がある人とない人っていうのは何が違うのかなと考える。それはきっと覚悟みたいなものなのかなと思う。例えば、何かチャレンジしたいと思っていることがあるとして、できるかなぁどうかなぁと永遠に悩んでいる人がいるとする。これはただ悩んでいるだけなので一向に覚悟はできそうにない。一方、できるかできないかではなく、やるかやらないかを即座に決めて、どうやったらできるのかを考える人はその時点でチャレンジするという覚悟が決まっている。それを前者の人からしたら勇気があるということになるのかなと思った。安室奈美恵を聞いてもっともっとっていう行動力が湧いてくる。いつも私の転機には安室奈美恵の歌があって、意図せず私は安室奈美恵に勇気をもらっていたんだなぁと気づいたのだ。勇気をもって、我慢せず、失敗も恐れず、好きな事だけをやってきた私は幸せ者だなと思う。自分が恵まれていることに感謝だけは忘れない。


その後、うろうろと買い物して帰る。真夏日の中、あちこち歩いたのでものすごい汗。いい運動になったなぁと両手にぶら下がるエコバッグをダンベルとみなし、1!2!と声を出しながら、手を持ち上げて家に帰る。いつも帰り道にこうして声を出している。夫と帰るときにもそうだ。いつも止められる。危ない人だと思われているらしい。でも私は危ない人に遭遇する確率の方が高いので、自らを危ない人だから誰も近づかないでねぇと演じているのだ。


夜、お給料日なので気分上がっていたせいで、普段は食べないコンビニのこってり系ラーメンを食べてしまう。あとぎょうざ。夜にラーメンを食べると喉が渇くので不快感を感じながら眠ることになり、いつも「もう夜にラーメンは食べないぞ」と誓う。でも今日はちょっとおかしくなっていたせいか、そんな後悔する余裕もなくさっさと風呂に入り眠りについた。幸せな気分だ。

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