ある日。
朝食、チーズトースト、シナモンココア、甘酒。
昨夜、川口春奈が一人ラーメンをしているYouTubeを見たせいで、どうしてもラーメンが食べたくなって、「昼にラーメン食べに行かない?」と誘う。まず、普段ラーメンを食べに行くということもないし、夫に昼休み外で過ごそうと言うこともしないので、驚いている。会議もないとのことなので、夫が昼休憩の時間になったら出ることにする。たのしみ。そのため、ラーメンラーメンと頭の中はウキウキとラーメンがスキップしていた。仕事もはかどる。選書、メールの対応、ちょっとたまっていた雑事。ものすごい単純だが、ハイテンションだ。
夫がいよいよ昼の時間になったので、二人で出かける。夫の昼休憩は一時間だ。急ぎ足で駅まで向かい、いつも並んでいる有名なラーメン屋に向かう。ラッキー、並んでない。そこの店のベーシックなラーメンを夫が選び、私はそこに煮卵を追加した。食券をとって、たんぱく質といおうとしたら、夫が「タンパク質」と言った。最近の私の口癖だ。もともと食嫌いのせいで、手っ取り早くエネルギーになる炭水化物と栄養補助食品で栄養を補おうとするところがある。この一年間、免疫力を上げるために野菜の量を増やしたり、苦手食品の発酵食品もとるようにしてきた。それで、次なる栄養素はタンパク質なのだ。疲れやすい体を何とかするために、何か食べるたびにタンパク質という私に夫もあきれている様子である。食券を買って中に入ると、まぁまぁ混んでいた。こういうカウンターで食べるザ今どきラーメンは私たち夫婦が慣れていないせいでどぎまぎする。二人並んで座り、夫の隣りに80歳くらいのおばあさんが一人でラーメンを待っていた。すごいなぁ、一人で食券買ってこうして堂々とラーメン食べてるのと思ってみていると、期間限定のラーメンがおばあさんの前に運ばれてきた。食べ方を説明しようとする店員の言葉を遮り、「これよんだ」といって、カウンター席の目に入るところにあるそのラーメンの食べ方を書いた紙をよんでいたようであった。それでさっくりと食べて帰っていった。潔い。私もあの年になって、社会に取り残されずにやっていけるだろうかと考える。すると私たちのラーメンが運ばれてきた。前に来たときにも思ったのだが、塩ラーメンなのに色がしょうゆラーメンみたいで一瞬、これ合ってる?と思うのだけれど合っている。まずスープをひと口と蓮華でそのしょうゆ色のスープを掬って口に入れたら、ジュワ!!やけどした。熱すぎる。驚いて目が見開いてしまった。私はものすごい猫舌なのだ。それでちょっとずつ啜るがどうにもこうにも熱いので、まず煮卵に着手する。おいしい。とろとろ。煮卵と言いつつ味がつきすぎていないのがよい。その後、二種類のチャーシューを一切れずつ食べる。片方は煮てあって、片方はほんのりピンク。低温調理風な感じ。そして、猫舌の私がひっそりとラーメンをこねくりまわす。これは絶対に人に見られてはならない。ちょっと下品な食べ方だ。でも熱くてだいたい食べ終わるころにはスープもなくなるほど伸びてしまうたべかたよりはよい。それはギャル曽根の食べ方だ。大食い選手権のときに、よくラーメンが出てくる。それで、彼女は熱いラーメンを早く啜れるようにと、ラーメンのこもった熱さをまず最初に取り除くのだ。右手にお箸、左手で蓮華、それを両端からまっすぐ丼底まで入れ、下のラーメンを持ち上げて冷ます。これを何回か繰り返すと、スープと共にこもった熱がちょっと取り除けるのでそれをやろうとしたら、なんと隣に真っ白いシャツの制服を着た女子高生が一人座った。私なんぞ、はねないように紙エプロンしているのに、その人は店員さんから紙エプロンをすすめられてもつけない。うーん。私がギャル曽根のこの熱さましをやろうとしているのに、もし、腕の当たりに私の持ち上げたことによりはねてしまったら申し訳ないと思うと思いっきりできない。それで、しぶしぶ熱いラーメンを食べ続けた結果、私の口は大やけどで終わった。これでまたしばらくラーメンは食べに行かないだろう。でも、美味しかった。秋なのに30℃くらいあって、その中でラーメン食べて汗かいてやけどして楽しかった。お店を出て、仕事に戻るため家に向かう夫とは逆方向に進み、銀行に行ったり、買い出しをしたりした。久しぶりに普段はいかない方のスーパーに行ったら、目の前に新しいカフェはできてるし、なんだか雰囲気が変わっていて驚く。スーパーでパスタとそうめん、中華まん、甘酒などストック食品を、あと愛犬のトイレとかいろいろ。重い。重いので、二つのバッグを両肩にかけて歩く。重い。恥ずかしい。本屋で大量に本を買ったのがよくなかった。それでこれらの荷物も増えて、あぁ、カフェでお茶しようなんて2件も回ったのに、満席。あきらめてコンビニでペットボトルのコーヒーを買って飲む。ラーメンのあとのコーヒー最高だな。
帰ると、今日はそんなに忙しくないと言っていた夫がテンパっている。どうやら急に仕事が立て込みだしたようで、ものすごいテンパっている。そのため、ちょっと休んでから愛犬の散歩に行く。いつもは三人で行くので、久しぶりの二人きりだ。愛犬はどこかのびのびとしている。嬉しそうにスキップしているよう。ほかのわんことご挨拶をしたりして、家を200メートルくらい出たところで曲がり大通りに出たら、急に愛犬が後ろをやたらと振り向きだした。「あれ?なんか今日一人足りなくない?アイツ来てないよね?」と夫を気にしてずっとマンションの方をふりかえっている。そのため、今日は仕事が忙しいからこれなかったんだよと話しかけると、愛犬は、え?そうなの?なーんだとまた、何事もなかったように歩き始めた。それでしばらく歩き路地に入ると。ものすごい大柄なお母さんと小枝のようにひょろひょろの小学生の女の子。堂々とゆったりと大股で歩くお母さんにまとわりついている。うちの愛犬は3キロに満たないくらいの小さなトイプードルで、人に吠えたり、追いかけたりするような犬ではないのだが、そもそもリードだってつけてるし。その女の子が5メートルくらい先を歩いているのだが、うちの愛犬が怖いとお母さんにしがみついている。あまりにも怖がっているので、私と愛犬はできるだけ距離を開けようとゆっくり歩いているのだが、全然距離が広がらない。むしろ縮まってきてしまい。いよいよ女の子は「お母さん怖いから私の後ろに絶対いてね」と不自然に母を背に歩き始めた。そんなに線が細かったら、これから生きていくの大変だぞと心の中で思う。その子は、小さい頃の私にそっくりだった。食も細く、ガリガリでちびっ子。身体が弱いから、みんなにお姫様みたいに大切に扱われたあの頃を思い出す。がんばれ少女と心の中で応援しつつ、可愛そうなので、道を変えて遠回りをして帰る。二人でゆったりと散歩したら、とてもたのしかった。
夕食、ささみの塩葱ダレ和え、にんじんしりしり、がんもとナスの煮物、豆腐の味噌汁。
糸井重里 の『夜は、待っている』読了。夜の読書にぴったりだったので、毎晩枕元に置いていてちびちびと呼んでいた。楽観的で明るい考え方と悲観的な考え方についてのところが、なるほどなと思った。もしも、何か難題が降りかかってきたら私もできるだけ楽観的で明るく取り組みたい。
あと、「アイディアから、決意やらを、じぶん以外の人に話してみるということ。じぶん以外に、それを聞いてくれる人がいること。それって、ものすごく大事なことだと思うのです」と。5冊だけの本屋は、私が一人ですべてをこなしているのだが、例えば新しい企画などのときには夫に一応聞かせる。何にも関わっていなくて、本もそれほど読まなくなった夫が、その企画を聞いて一発でおもしろいと言ったもの以外は私は採用しないようにしている。そういう意味では、夫は重要な責任を担っているともいえる。大事な人なのです。
そして、アイディアについて。「考えても考えても、『いい考え』にはならない。『感じる』ことができたら、『いい考え』が生まれる」「"Don't think.Feel!"」この文章に感化されたせいで、私はこのセリフをむやみやたらに唱えている。私は頭で考えすぎているのだな。
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