ある日。

酷い腹痛で、ベッドで1日を過ごす。痛いから寝ているのに、どうしても何かしたくなってしまう性質で、痛い痛いと言いながら、本を読んでいる自分にあきれる。

話題の本『正欲』と、久しぶりに大好きな本『凍りのくじら』を読む。どちらもマイノリティという点では共通点のある本だった。

『正欲』は気づけばマイノリティになっている人にとっては救いであり、そうでないものにとってはちょっと嫌な後味の一冊。「当たり前のように自分は生きてるしこれからも生きていくだろうって、そう思える人間なんだよな」っていう言葉が染みる。でも「マジョリティ側に生まれ落ちたゆえ自分自身と向き合う機会は少なく、ただ自分がマジョリティであるということが唯一のアイデンティティとなる」というところで、私はマジョリティではなかったが自分と向き合う時間が多かったのはよかったなと思う。自分の人生を疎かにしていない感じがするから。読書というのも、今ではSNSでつながったりいろいろしているけれども、読書好きというのはいかにも根暗なやつと言った印象でマイノリティだったような気がする。


夜、落ち着いてきたので料理をする。秋鮭ときのこのホイル焼き、ブロッコリーのオイル煮、小松菜と卵の炒め、豆腐の味噌汁。小松菜と卵の炒めは、小松菜がそろそろやばいので救済メニューなのだが、夫がえらく気に入っていて、うまいうまいとたくさん食べる。ウエイパァーだからなと伝える。夫はこれを使った料理をうまいうまいというのでそれを伝えると、「おれは、ウエイパァーに騙されているようでくやしいなぁ」という。そして、少し余っていた鮭フレークをこれ食べちゃってくれない?と手渡すと、夫がめっちゃ笑うので何かと思ったら、「え?おれ鮭あるのに、鮭フレークもかけるの?」とのこと。そうだった、メインは秋鮭のホイル焼きだよ。私も自分で情けなくなった。


『サブマリン』の続編『チルドレン』も勢いで読んでしまった。良い。良い良い。続編早く出してほしい。


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