ある日。
気持ちのいい秋晴れの休日。夫の誕生日のお祝いをパレスホテルの琥珀宮にて。久しぶりに夫から中華をリクエストされたので急いで予約したが、ぎりぎりだったせいか、遅い時間だしあまりいい席ではなかった。すまん。裕福な中国人家族、まるで同伴のような男性と派手な女性、赤ちゃんが大泣きしている家族のテーブルの間で、静かに過ごす。前菜の盛り合わせにはいんげんの炒めとカリカリに表面を焼いた豚バラ肉と鶏肉。おいしい。この後のお料理がおいしい予感しかしない。最近はこういうスタイルが多いように思う。ブームだろうか。次に点心三種。以外にも春菊の焼売とパクチーの蒸し餃子、チャーシューのパイ包みだった。春菊とパクチーが嫌いな夫は残すかと思ったが、悔しいのか意地なのか思い切りひと口で食べていた。続いて名物の北京ダック。これが驚くほど美味しくてあと10個ほど食べたかった。まず、北京ダック丸々をお皿の上に乗せて見せてくれて、それをさばいてくれた。餃子の皮ほどの大きさよりもだいぶ大きく、これは春巻きの皮くらいの大きさの川に、北京ダックの皮が驚くほど均一の厚さで巻かれ、その内側にはたっぷりのきゅうりと長ネギが詰まっていた。通常北京ダックと言うものは餃子の皮ほどの大きさで、皮のみではなく肉も巻かれていたり、一口目でお肉と長ネギがすべて出てきてしまったりする。でも、ここのはちがう。カリカリでジューシーの皮はサクッとキレて、きゅうりと長ネギは短めにカットされているのかちゃんと最後まで残っている。ようするに最高のバランスで最後の一口まで食べることができるのだ。私は北京ダックが大好きだ、どこの高級中華よりもおいしかった。隣の中国人家族は丸々1匹のようで一人四つほどの北京ダックが一皿に積まれたものが3皿もあった。楽しそう。続いて、干し貝柱と蕪のすり流しスープ。たっぷりと熱々のスープをゆっくりとおいしく味わっている間にだんだんとお腹がいっぱいになってきたが、おいしいので次々へと口に運んでしまう。白身魚のトウチ煮込みはカレイと海老芋と蓮根でピリ辛のものでおいしかった。最後に海老みそのチャーハン。薄々感じていたが、夫の誕生日ということで予約してしまったので、ここでデザートプレートとハッピーバースデーの音楽が鳴り響くピアノのオルゴールが運ばれてきて盛大に夫はお祝いされた。苦笑いしかない夫の顔がとんでもなく面白かった。いつもは夫がこういうサプライズ的なお祝いをされることを嫌うので、何も言わずにただ食事に行くのだが、私が不調の時に予約した時に、夫の誕生日で利用の旨と、サプライズのメッセージにご丁寧に夫の名前まで記載してしまったのだ。前確でも、そのまま確認をタップしてしまった。そのあとで、あれ?パレスホテルということはピアノが出てくるところじゃなかったっけ?と思いつつも、夜寝る前に、夫にもしかしたらピアノ出てくるかもしれないと伝えておいた。店に入ったときには入れ替えの時間だったせいか、あちこちでピアノが運ばれてお祝いされていたので、夫にたぶんあれくると思うと伝えていたのだが、かつて見たことがないほどの夫の苦笑いであった。私たちのテーブルで音楽が終わると、スタッフの方が「ちょっとすみません、次が詰まっておりまして失礼します」とそうそうにピアノのオルゴールは別のテーブルに行き、音楽を鳴らしていた。それから私たちは5回くらいは聞いたと思う。肝心のデザートは、ライチティーのプリンで最高においしかった。程良く甘く、さっぱりしていて、昔懐かしいキャラメリゼの香ばしい薫りがあった。一口サイズのカステラはカステラ好きの夫にあげ、夫はこれまで食べた中で一番おいしいと言っていた。もう一つ一口サイズのチョコレートはジャスミンのチョコレートで、こちらもとってもおいしかった。そうして、店を後にした。おいしかった。
帰りに和田倉噴水公園を散歩する。ここは私にとってのパワースポットだ。レストラン好きだったのに、なくなってしまって残念。ちょうど時間だったのか、噴水から盛大に水が出てきて嬉しかった。なんか、噴水と言うのは良いような気がする。皇居周りの木々は黄色に色づいて紅葉が綺麗だったし、丸の内のあちこちのビルにはクリスマスツリーがあって、イルミネーションが始まっていてクリスマスだった。コーヒーを飲みたくなりディーンアンドデルーカで夫はホットのカプチーノ、私はアイスカプチーノを飲む。しばらく休憩して、丸善でそれぞれ本を買い、夫のリクエストだった都路里にて抹茶パフェを食べに行く。夫は抹茶カステラパフェを頼む。私は茶そばとあんみつのセットにする。あんみつの白玉は夫のパフェへと積み重ねる。夫はとてもうれしそう。カステラと白玉好きだもんね。こうして、夫の誕生日WEEKは終了した。今年も全力でお祝いできて、悔いなし。帰りの電車では、相変わらず夫がのった瞬間からすでに深い眠りについていた。発車する前に眠れるってすごい特技だと思う。おめでとう。幸せな一年を。
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