ある日。

昼、ペペロンチーノ。私はニンニクがちょっとアレルギーで食べるとお腹が痛くなるのと、あのまとわりつく匂いが嫌でお料理にはチューブタイプを使っていたのだが、思いたってニンニクを刻んで作った。そうしたところ、夫が感激し、「毎日これがいい」というリクエストを受けた。毎日、お昼ペペロンチーノなんてなんて楽ちんなんだ。嬉しい。

夜、アスパラベーコン、きゅうりの漬物、おにぎり(明太子、鮭、梅おかか)。無性におにぎりを食べたくなって、夜なのにまるでお弁当のような献立。ところが今日のおにぎりはとんでもなく美味しく作れて、夫は3つも食べた。私は不器用なので、おにぎりはすべておなじ大きさにできない。しかも小さくて、具はたっぷりが好きなのだ。一口目でどこからでも具が出てきてほしい。だからそうやって作ると結果的にちょっと大きくなってしまう。二人とも美味しいためもくもくと食べる。それで「明太子っていいね。また買おう」と言ったら、夫が「おれも今同じこと思ってた」と言う。こういうささやかな幸せをいつまでも忘れずにいよう。

愛犬、本日はぐったり。自らベッドに帰り爆睡。可愛い。

伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ『グラスホッパー』『マリアビートル』『アックス』を一気読み終えた。まず、グラスホッパーでスリルを味わう。これは映画も観たので映像も蘇る。ちょっとグロいところもあるけど、爽快感も味わえるわけです。未来への漠然とした不安なんて吹き飛ばしてくれる。そして、第二弾のマリアビートル!これは、個人的には殺し屋シリーズの中で最も好きです。伊坂幸太郎作品でもかなり上位にきます。新幹線の中で殺し屋たちがお互いを入り乱れていて、密室ならではのスリルがゾクゾクするわけです。それに爆笑が止まらないところもあるし、道徳的なところも良い。そしてそして、第三弾のアックス!これは、殺し屋の家族愛が泣けるのです。恐妻家の殺し屋が、家族のために殺し屋をやめるために奮闘する物語だけど、とにかくいい。後半は息子の克巳の語りになるのだけど、一気読みしたせいか、もしかして克巳の由来は克己からきてるんじゃなんて想像したり。。そうじゃないみたいだけど。三冊一気読みすると一貫して克己という言葉があちこちで頭をよぎるから、こんなことまで考えてしまう。このシリーズにはちょいちょいドストエフスキーの『罪と罰』が出てくるけれど、個人的にはまるで『罪と罰』を噛み砕いて面白おかしく書いてくれたみたいな感じ。『罪と罰』のなかの「まず自分一人を愛せよ、なぜなら世の中のすべてはその基礎を個人の利害においているからである」というところを、「ようするに一番大事なのは自分の幸せというわけだ。それが回りまわって、みんなの幸せにも繋がる」とおっしゃっています。我が家はまさにこのようなことを家訓にしておりますので、夫も私もこういうことを結婚したときから大切にしている。だから、思い入れは強いのかもしれない。ちなみに私がこのシリーズの中で好きな殺し屋は檸檬。トーマス好きの檸檬は最高にいいやつ。改めて一気読みしたら本当に楽しかった。

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